暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第59話 レイラを救え
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…じゃないか?」
「……はい。このままでは、本格的に発狂して……、衰弱死と言う事もあります……」

 ユーリの言葉を聞いて、セルが答え、そしてマリアは勿論、ハウレーン、バレス、エクスと言ったメンバーは表情を落とした。

「……ふむ」

 ユーリは、レイラに近づく。この時ばかりは、志津香もかなみも 心配そうに彼女を見ているだけだった。ランスは、うるさいようだが、ユーリは集中しているようで、まるで耳に入っていない。

「(……あんな、裸の美人がオ○ニーしてるって言うのに、ユーリの奴、最初以外、殆ど反応してないぞ? もち、下も反応してないっぽい。志津香……、厳しいんじゃないか?)」
「っ!!」

 志津香は、ミリの耳打ちに驚き、背筋をピンっと伸ばした。
 慌てて、振り返って……いつもの様に怒鳴りつけようと思ったが、今は駄目、だろう。ユーリは集中している様だし、邪魔をするわけにはいかない。それに、皆殆ど固唾を呑んで、ユーリとレイラを見ている。そんな中で、声をあげられるはずもなく、そしてなんとか言葉を飲み込むことが出来た彼女もファインプレーと言っていいだろう。

「(な、何言ってるのよ、だから、前々から言ってるでしょ……、アンタもちょっとは自重しなさいって、それに今はそんな事を言ってる場合じゃないでしょ)」

 限りなく小声でそう言い返す。
 レイラの事を考えたら、今はそんな安易な事を言っている場合じゃない。ちょっと、空気を読まなさすぎだろう。

「(はは、オレは大丈夫だって思うぜ? なんも心配してねぇよ。……何せ、オレ達にはアイツがいるんだからよ。……今は無理だったとしても、最後はきっとなんとかしてくれる。ってな? 志津香だって、信じてるだろ?)」
「(っ……)」

 ミリは、ニヤリと笑う。
 そのミリの言葉には説得力があった。そして、自分も何処かでそう強く思っていた。ミリ自身も、強く想っている。

 自分自身の身体の状態を知っても、人間では、不治の病とされている病名を訊いてもなお、『必ず治す方法を見つける』と言ってのけた男だから。

「……《解析(リーディング)》」

 ユーリは、目を瞑ったまま、レイラの額に手のひらを当てた。そして、強く、深く……その異物に似た違和感を探る。

 網膜を当して感じる歪な気配。

 それは、レイラの脳髄の、精神の奥にまで侵食されているようだ。……人間の手では、明らかに届かない領域にまで。

「(……魔人の力、か。それでも、結界が判ったんだ。……だから、魔法であれば、なんとかなるか、と思ったが、駄目だ……。解析()からない。セルさんの言う通りだ。呪い、か)」

 ぎりっ……と、力を入れていた。今の自分の力では 魔法は解析する事が出来ても、呪術に近い位置に
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