3部分:第三章
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第三章
「入ってると思うか?」
「さあな」
当然ながら天野と原田もいる。原田は天野の問いに腕を組んだうえで応える。もう皆椅子に座ってそのうえで録音を聴く姿勢に入っていた。
「精々虫の鳴き声が何かだろ」
「それは流石に放送できないか」
「キリギリスとかウマオイならいいんだがな」
どうやら原田は秋の虫の声が好きらしい。最初に出たのはそれだった。
「まあ期待しないで待つか」
「期待しろ。じゃあかけるぞ」
「ああ」
何はともあれこうして録音をチェックするのだった。最初は何も聴こえない。しかしやがて。聴きなれない声が聴こえてきたのだった。
「!?おかしいわね」
最初にそれに気付いたのは福田だった。
「何か聴こえない?」
「何か!?」
「そう。録音の中に人の声が聴こえるわ」
彼女は耳をすませ目を顰めさせながら言ってきた。
「功成君のでもないし純君のものでもない」
「大体俺は録音はじめてからすぐにいなくなった」
「俺もだ」
「ええ、それはわかっているわ」
これは福田が最もよく知っていた。二人は去る時に録音をスタートさせた。録音の最初にその音が入っている。福田の声も入っていた。だからこれは彼女もよくわかっているのだ。
「それに。この声って」
「!?これは」
次に気付いたのは天野だった。
「この声あれじゃないのか。大人の男の人の声だ」
「そうだな、間違いない」
そして原田もまた。彼等の他の部員達も気付いていった。
「おい、この声って」
「そうだよな。何か言ってるぞ」
「この声だけ大きくできる?」
原田は怪訝な、明らかに何かを探る顔で原田に声をかけた。
「変なこと言ってるみたいよ」
「変なこと!?」
「ええ、何かしら」
その怪訝な顔で述べる。
「それ聴きたいんだけれど」
「わかった。それじゃあ」
原田は福田のその言葉に応えた。そうしてすぐにその声だけを大きくさせた。複数のボリュームのスイッチのうちある部分だけを動かして調整したのである。そしてそれからまた聞いてみると。
「・・・・・・ここでいいか?」
福田は声を聴いて呟いた。
「そう言ってない?」
「ああ、言ったな」
「間違いないな」
天野も原田も聴いた。真剣な顔で頷く。
「ここならばれない、ね」
「言っている」
「後は埋めるだけだってな」
三人は次にシャベルで地面を掘る音を聴いた。それは結構長い時間続きそれが終わってから。今度は何か水分の多い重いものが落とされる音を聴いた。ドサリ、と。それから土をかけていく音が。それが聴こえてきたのだった。
「・・・・・・まさかと思うけれどさ」
福田はその土がかけられる音を聴きながら皆に対して言ってきた。
「麻奈達今とんでもないの聴いてない?」
「ひょ
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