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八神家の養父切嗣
二話:闇の書覚醒
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ジを埋めていきます。完成すれば闇の書の真の主となり絶対たる力を得ることになります」
「……大体わかったよ、ありがとう」

 切嗣は銃を降ろしながら知らないふりをして得た情報と事前の情報を照らし合わせていく。
 まず、闇の書の主を守るというプログラムと書の完成を目指すという目的は事前情報通りだ。
 そしてリンカーコアの蒐集でページを埋めることも情報通りだ。
 ただ一つ完成すれば絶対たる力を得るという点だけ、主が死ぬことを意図的に伏せているのか、それとも騎士達は知らないのかが分からない。
 これに関しては今後調べる必要があるだろう。

「ということだけどはやては分かったかい?」
「うーん、なんとなくやけど、私がこの子達の主なのが確かなのは分かるんよ。やからこの子達のお世話をしてやらんといけんのや」
「……お言葉ですが主、私達が主をお守りするのであって―――」
「とにかくや、私が主なんやから大人しく主の願い通りに家でお世話されてもらうで。おとんもそれでいいやろ?」

 自分がヴォルケンリッター達の世話をすると言ってはばからないはやてに騎士達は言葉が出ない。
 恐らくは長きにわたる旅路の中でもこうした主はいなかったのだろう。
 切嗣もこうした反応をするとは思っていなかったのか驚きの表情を浮かべている。

「……ああ、はやてがしたいようにしていいよ」
「おおきにな。あ、食費とか服代とか色々かかるけどお金大丈夫かいな?」
「私達は食べる必要がないのでご負担になるようでしたら何もなくて結構です」
「いや、その心配はないよ。これでも結構稼いでいてね。お金の心配はいらないよ」

 すぐさまお金の心配をするしっかりとしすぎた娘に苦笑しながら貯蓄額を頭に思い浮かべる。
 殺し屋として稼いでいた時期の金とギル・グレアムによる資金援助で八神家の財政事情は非常に潤っているのだ。
 もっとも、元々守護騎士の生活費が必要になってもいいように考えて金を入れていたので足りないわけがないのだが。

「なら、安心やね。本当は家の案内とか色々したいんやけど……寝むなってもーて」
「多分闇の書の起動で魔力を使ったせいだと思うわ」
「はやては大丈夫なんだね?」
「はい、一晩寝れば回復します」

 眠たそうに瞼を閉じるはやてを心配するふりをしてシャマルに尋ねる切嗣。
 勿論大丈夫なことぐらい分かっている。だが自分は騎士達の信頼を得るために演じなければならない、娘を愛する父親を。
 内心情けなさで吐き気を催しながら切嗣ははやてに布団をかけ直してやる。
 そして、はやてが寝入ったのを見届けると騎士達の方に振り返る。

「さて、僕達は話し合わなければならないと思うんだけど、どうかな?」
「私達もそのつもりです」
「なら、一度リビングに
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