暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part2/荒れ狂う巨人
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フィールドは少しも動じることはなかった。
『私たちの目的を確実に達成するためにも、あなたたちのような優れた人たちを味方に引き入れたいの。どうする?もし承諾するのなら、あなたたちの身の安全は保障するのだけど』
「ありえないね。今更あんたらみたいな外道に従う義理なんざあたしにはない。」
こういう手合いは間違いなくこちらが不利になるような条件を突き付けてくる。受託したら寧ろ最後だ。特にテファ、この子だけはそんな場所に踏み込ませたくはない。
『状況が分かっていないのかしら?今のあなたたちは、いつでも私のペットの餌にできるのよ』
しかしシェフィールドが優位に立っていることに変わりない。すでに王手を掴んでいる立場の者が、一言断られたくらいで怯むはずもない。
『今、ウルトラマンの変身者は変身に必要な短剣を失っている。つまり、今のあなたたちに私からの要求を拒むことなどできないのよ』
「そのために、サムを…」
『ええ、そのナイフ…インテリジェントナイフは私がそこの餓鬼に持たせたものよ。あのナイフはたとえ平民でも、所持した人間は魔法が使えるようになるの。でも、そのナイフを持った者は、ナイフに宿った人格に支配される、まさに魔の道具だと思わない?』
最初からこちらの動きを観察していたことを察し、マチルダは顔を歪ませた。あのマジックアイテムらしきナイフを持たせ、サムを病気的に変貌させたのも間違いなく奴が仕組んだこと。シュウをウルトラマンに変身させないようにさえすればいいのだ。サムがどうなろうと知ったことではないのだ。
「子供を利用するなんて、とんだ悪党さね」
『あら、あなたが人を悪党呼ばわりできる立場かしら?ねぇ、土くれのフーケさん?』
「確かにあたしも悪党ではあるけど、あんたと違って超えちゃいけないラインは見定めてんだよ」
『さて、ミス。答えは?』
軽く流したシェフィールドが返答を促している間に、マチルダはサムの元に近づく。その足音が聞こえたのか、サムがようやく目を覚まし始めた。
「うぅ…」
「気が付いたかい」
「マチルダ姉ちゃん…?あれ、僕…なんでここに…」
サムは状況をはっきりと理解していないようだ。操られていた時の記憶がないらしい。
「サム、話は後だ。いいかい。ここから全力で逃げるんだよ」
「え…?」
「それと、こいつを返しておいで」
マチルダはさっきサムを気絶させたときに奪い取った、シュウの大事なもの二点をサムに突き付ける。
「あ…!!」
村が、既に火に包まれようとしていた。
それを見て、サムはようやく自分がやってしまったことの重大さを思い知った。
確かにシュウのことは気に入らなかったし、これさえあれば、あいつに代わって自分が巨人になってテファたちを守れると思った時代があった。
「姉ちゃん、でも…僕は………」
しかし、
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