Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part2/必殺の魔法
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ーしてしまうという、古代のマジックアイテムの一種だ。イザベラがタバサたちに任務の前に与えた人形がそれだったのだ。ペガ星人に殺されたはずのアネットは、グレンに敗北して再び部屋に閉じこもったオリヴァンを訪ねたあの時点で、実はタバサが囮として利用するために作ったスキルニルの偽者と入れ替わっていたのだ。偽者ではあるものの、その心自体は本物と遜色ないため、仕込んだタバサ以外は誰も気づけなかったのだ。
「そういやよ、なんであんた、あんな我侭し放題のおぼっちゃんの肩を持ってたんだ?」
「……」
投げかけられた疑問に対して、最初は沈黙していたタバサだったが、その理由を明かした。
「私と、同じだった気がしたから」
「あんなのとタバサちゃんが同じ?何言ってんだよ。見た目からして、タバサちゃんとあの坊ちゃん全然似てねえじゃねえか」
「見た目の話じゃない。私と同じ、寂しさを埋めるものがわからなくて、もだえていた。表に出ていたものが違ってただけ」
「タバサ…」
その言葉の裏側にあるものを、任務に向かう前に知ったキュルケは、憂い顔を浮かべた。
「ところで……」
が、すぐにその表情は、すぐに呆れ顔に近いものに変わる。
「どうしてあなたまでいるのかしら?」
振り向かず、彼女は自分の後ろにちゃっかり座り込んではタバサに問いかけてきた少年に問う。
実は、さっきオリヴァンのことで質問をしてきたのはキュルケではなく、彼…人間の姿のグレンファイヤーその人だったのである。
「い、いいじゃんよ!俺トリステインにも立ち寄ろうと思ってたところだったし、そろそろ一人がいやになってきたころだったんだってばさ」
親に叱られてもふてくされている悪餓鬼のようにぶー垂れながらグレンは言った。
「彼には助けられた。これはせめてもの礼」
「まぁ…変なことはしないようにね」
別にグレンの存在を否定するつもりは無い。寧ろ今回の件も、アルビオンでも彼に助けられたことがあるので邪険にすることはもってのほかだ。タバサとしては、今回彼を本人の要望でトリステインに運んでいるのも、借りを返す一端に過ぎない。
「そういえば、そろそろラグドリアン湖かしらね」
オリヴァンが家族旅行で出かけるのを拒んだという湖が近づいている。森の木々が切り払われている場所に、ちょうど大きな湖が見えてきた。すでにトリステインの国境内部。しかし、ここで奇怪な現象が起きた。
「ね、ねえタバサ…あれって!」
「!」
「おぉ…!?」
キュルケが真っ先に指を差し、そしてグレンとタバサの二人もまたラグドリアン湖の方角を見る。
ラグドリアン湖の真上から黒い波動が空を覆い始めていたのだ。
「な、なんだこりゃあ!?」
「この現象…まさか」
グレンが驚く一方で、覚えがあるタバサとキュルケにはある確信があった。この不気味な現象…タ
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