暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part2/必殺の魔法
[12/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、ラインクラスの力へと目覚めたのだ。
「うぎゃあああああああああ!!!?」
吹っ飛ばされたペガ星人はそのまま窓から円盤の外へと放り出されると、突如奴の体は風船のように膨れ上がり、やがて豆粒よりも遥かに小さくなるほど飛ばされたところで、木っ端微塵に破裂した。
オリヴァンはすべてを出し切ったように、アネットの傍らに倒れこんだ。タバサがまずオリヴァンとアネットの元に駆け寄り、キュルケがペガ星人が突き破った窓の外を見やる。あの怪人の姿は見当たらない。
さっきペガ星人が気圧に耐え切れない、とは真実だったようだ。物体、特に人間の体は実を言うと身の回りから20トン近くもの重さが掛かっている。それが本当ならつぶれて死んでしまうと思うだろう。だが外から掛かる圧力に対して、内側からもまた同じくらいの力が働き常に押し返し続けることで、潰されることなく釣り合いが取れているのだ。だがその釣り合いは常に保たれているわけではない。エレベーターで急に上の階まで上がることで鼓膜がキーンとなるのは、外側からの力が弱まったことで力の釣り合いが崩れたために起こる。それと同じで、この星の気圧に耐性を持たないペガ星人の体もまた、自分の安全地帯である円盤から外に追い出されてしまうとその体は膨らみ、先ほどのように破裂してしまうのである。
まぐれ、ということは確かだろう。しかし、このオリヴァン少年は自らの手で異星人を倒すという快挙を成し遂げたのである。
しかし、オリヴァンが自分のいじめの被害者としての立場に甘え、道を踏み外したこと。結果として自分を慕ってくれていた少女を死なせたという事実は覆らない。
「やりきれない結果ね…」
胸を貫通され、倒れているアネットを見てキュルケが悲痛な表情を浮かべている。タバサはこんな危険で、辛いことばかりが起きる任務を続けてきたのだろうと思うと、さらにやるせない。
「…脱出」
ここで立ち止まっても仕方ない。タバサはキュルケに、ここから脱出することを促した。キュルケは、少しくらい悲しんだらどうなのだ、とはいわなかった。タバサは常に悲しい思いを抱きながら戦っている。全て、心を失ってしまった愛する母のために。ここで気を張っているかもしれないタバサの心に棘を差すようなことは避けた。
魔法でオリヴァンとアネットを浮かし、二人はペガ星人の円盤から脱出した。



「なんだ…?」
グレンは、一時円盤から攻撃がやんだことを奇妙に思った。これはこれで楽だし尻を攻撃されるという変なシチュエーションが怒らなくて済むのだが、タバサたちが脱出したことが確認されるまでは攻勢に転じることはできない。
すると、ピーッと指笛の鳴る音が聞こえる。一つの影が円盤の方に向かう。確かタバサの風竜シルフィードだ。その背にはタバサたちが四人とも乗っている。タバサがこちらを見てこくっと頷いた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ