思い出-メモリーズ-part2/妖精の歌
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、これ以上続けさせないために…。
ベルカナ・マン・ラグー!
彼女は、勇気を振り絞り、杖を振るった!
彼女の必死さを体現するかのように、風のように白い靄が吹き荒れ、ヤマワラワを包み込んだ。
その様子をシェフィールドも、ロサイスの宿にて放っていたガーゴイルの目を通して観察していた。
『現状はどうなっているのだ、シェフィールドよ』
ふと、彼女の脳裏に何者かの声が聞こえていた。
『はっ、ご主人様。あなた様のご命令で探しておりました、真の「虚無」の担い手を見つけました』
テレパシーの一種か何かだろうか。どうやら、今彼女と話をしている人物が、シェフィールドの本当の主のようだ。
今の彼女の話によると、ティファニアはこの世界にて伝説と謳われた力…『虚無』を持っていたのだ。クロムウェルが、シェフィールドの主の命令で彼女から持たされたアンドバリの指輪の力を『虚無』と偽ったものではなく、正真正銘の担い手ということになる。
今の彼女の魔法…『忘却』を見て確信したのだろう。
だが、なぜティファニアに、よりによってエルフの血を引く彼女に、エルフを仇敵とするブリミル教の象徴である始祖ブリミルの力が受け継がれたのだろうか…。
『ほう…』
シェフィールドからの報告を聞いて、謎の声は興味深そうに声を漏らした。
『今なら確実に捕まえられます。しかも運がいいことに、あの担い手と、今私が使役している怪獣は何かしらの縁があるようです。
ただ…厄介なのは…』
なんと、今のヤマワラワはこの女…シェフィールドが操っている怪獣だったのだ。
そもそもヤマワラワは元々…慈愛の戦士『ウルトラマンコスモス』の存在する、とある次元『コスモスペース』の地球に存在していた妖怪だった。それがどういうわけか、コスモスペースから無理やりこの世界に連れて行かれてしまい、いつの間にか星人同士の戦いの場に利用されていたのだ。すでに当時、彼を捕まえていた星人は殺されていたため、自由を手にしていたのだが…。
おそらく川に落ちた幼き日のテファとはぐれた後から現在に至るまで孤独であったが、シェフィールドの操るガーゴイルから、偶然にも再会を果たしたティファニアを助けた。
だが、テファがシュウを独自に捜索しているあの夜、テファを庇ったヤマワラワはシェフィールドに見つかり、無理やり彼女の持つ怪獣使役装置…『バトルナイザー』に閉じ込められてしまい、彼女の意のままに従わされてしまったのだ。
『厄介なのは…ウルトラマンが、それも私の知らない個体が邪魔をしております。ご指示を、我が主』
シェフィールドのその言い方は、以前からウルトラマンの存在自体はすでに知っていたような口ぶりだった。命令を待つシェフィールドだが、声の主の次に下した命令は意外なものだった。
『いや…ここは退いて、レコンキスタとしての
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