思い出-メモリーズ-part2/妖精の歌
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けるように前転しながら回避したシュウは、ヤマワラワの背後に回り込んでブラストショットをヤマワラワに向けて発射する。波動弾は、ヤマワラワの体に直撃した。たいていの小型ビーストはこの波動弾を受けると青白く発光しながら膨れ上がり、破裂する。
「…なに…!?」
だが、ヤマワラワは波動弾を被弾したにも関わらず、ダメージこそ受けていたが致命傷に至るほどのものではなかった。波動弾は現に、彼に当たった途端に爆発し弾けとんだ。コイツの体は、雑魚ビーストよりも遥かに頑丈なようだ。
(ただの獣じゃないというわけか)
しかし、これはこれで参った。こうなったら、ブラストショットを連射して倒すしかない。ヤマワラワは完全にシュウを敵視し、彼に向かって突撃してくる。まるで猪や暴走車のような勢いだった。あまりの勢いで突撃してきたヤマワラワの突進を受け、シュウは咄嗟にエボルトラスターを前に突き出した。ヤマワラワが彼の体に直撃したところで、エボルトラスターから光の盾が出現しシュウの身を守る。
「グウウウウオオオオ!!!」「…っぐ…!!」
しかし突進の勢いを強く、シュウは直接体当りされることはなかったが、衝撃で後方へと吹っ飛ぶ。地面に落ちる直前、彼はブラストショットともう一本…腰のサバイバルベルトからTLT支給のハンドガン『ディバイドシューター』を構え、西部劇のガンマンのようにブラストショットと同時連射した。
乱射される弾丸の嵐によって火花が地面や自分の周囲さえも巻き込んで散っていき、さすがのヤマワラワも驚いてしまった。数弾被弾してしまい、流石にここまで来るとヤマワラワも本気でカチンと来ていた。その本気の怒りの証を、自分の身を持って表現した。
「!!」
着地し、目を見開くシュウは、だんだんと目の前で大きくなっていく巨大な影を見上げていく。ヤマワラワが、怒りのまま60mもの巨大な姿へと変貌してしまったのだ。
「グルオオオオオオ!!!!」
大きくなったヤマワラワが、ここから出て行け、ティファニアには近づくなとでも言いたげにシュウを追い回し始めた。シュウはヤマワラワに向けて銃を撃ち続けながら、洞窟から離れていった。もしかしたら、あの洞窟に彼女がいるのでは?そう思ってこうして洞窟のある場所から離れているのだが…。ヤマワラワはさらにシュウを追いかけ、着実に彼を追い詰めていく。
どれほど離れただろうか。シュウはふと立ち止まって振り返る。その時、ヤマワラワはどこからか持ってきた大きな岩を持ち上げていた。
それと同じタイミングで、足を負傷したテファがようやく洞窟から脱出を果たした。外に出たとたん、ヤマワラワがつい先ほどと比べてはるかに巨大化していた光景に驚愕する。岩を持って暴れまわるヤマワラワは、完全に暴走状態と見て取れた。そこにさっきまで見せてくれていた温厚な姿はなかった。入れ違う形で
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