暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
思い出-メモリーズ-part2/妖精の歌
[6/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
実に見えて、結構無茶をするタイプであることに、テファはもう気づいていた。しかも、自分はなんともなさそうに言うあたり、かなりタチが悪い。
「ヤマワラワ、私シュウを探したいの。手伝ってくれる?」
ヤマワラワは、テファからの頼みを断ることも躊躇うこともなく頷いてくれた。テファの表情はぱあっと明るくなった。やっぱりこの子は優しい子なんだと改めて思った。
すると、ヤマワラワがなにかの気配を感じたのか、テファの傍らに木の実を置いた途端、外に出て行った。
「どこに行くの!?…痛っ!」
立ち上がって追っていこうとしたが、テファの足に痛みが走る。あの急斜面で誤って滑り落ちてしまったとき、足を痛めてしまったのだ。なんとか彼女は、痛みをこらえてヤマワラワを追おうとした。







シュウは同時刻、奇妙な足跡をたどっているうちに、山の斜面に口を開けた怪しげな洞窟を見つけた。木々の根元の下にぱっくり人が入ることができそうなほど大きな入口だ。もし戦争中だったら、敵の不意を突くための、または非戦闘員を匿うための天然の基地になりそうだ。足跡はちゃんと洞窟の中に続いている。
シュウはエボルトラスターを取り出し、ビーストが近くにいないか確かめる。振動波は感知されていない。本来パルスブレイカーの方がビースト振動波の発生地点の正確な位置を特的できる点があるのだが、今は洞窟の中にいるかどうかを確かめたいだけ。電力も限りがどうしてもあるものだからなるべく節約しておきたかったのだ。
ともあれ、振動波が感知されなかったのでビーストはいないようだ。でも、例外もあれば振動波を関知しない、ビーストではない怪獣とも戦ってきた身だ。油断はできない。ブラストショットを構えたまま彼は洞窟へ入ろうとした時だった。外に何者かの気配を感じて、洞窟の入口からヤマワラワがシュウの前に姿を現してしまった。
「アラクネラ…!?」
風貌はことなるが、シュウはヤマワラワの姿とよく似たビーストと、地球にて交戦したことがあった。『インセクティボラタイプビースト・アラクネラ』。体長はビーストの中でも今のところそんなに巨大な体型を持っておらず、大きくて15m以下だけ。熊のような体から角のような突起を何本か生やした小型の低級ビーストだ。そのアラクネラの外見と、ヤマワラワの姿は顔を除けばほとんどそっくりだった。そのため、思わずシュウはヤマワラワの姿を見て、アラクネラじゃないのかと勘ぐったのだ。
しかも、ヤマワラワが銃を持って現れたシュウを見て、彼が幼い頃のテファが王軍に殺されかけた時と同様に、彼女の命を狙う外敵だと勘違いしてしまったようだ。
「グゥウウウウ!!!」
豪腕な腕を振り上げ、シュウを追い払おうとするヤマワラワ。
「ちっ!!」
舌打ちし、ヤマワラワの頭上からのダブルスレッジハンマーを、くぐり抜
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ