思い出-メモリーズ-part2/妖精の歌
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りが、不思議なことに青白く輝いた。
「助けて…助けて!!『ヤマワラワ』!!!」
その叫びは、聞き届いた。彼女の呼びかけに応え、草陰から一体の陰が現れ、兵たちを突き飛ばした。
「ぐわあ!!?」
テファは恐る恐る目を開けると、そこにはあの時まで一緒に仲良く遊んでいた、ティファニアにとって『最初のお友達』…『童心妖怪ヤマワラワ』が立っていたのだ。
「な、なんだこいつは!!」
ヤマワラワの突如の出現に、動揺する兵たちに対して、ヤマワラワは友人が殺されかけた怒りで頭日が昇っていた。
「GRUUUUUUAAAAAAAAAAAAA!!!!」
逆上したヤマワラワは、暴れまわった。友達に仇名す者たちに怒りの鉄槌を次々と下していった。
「ぎゃ!!」「うわあ!!」
ヤマワラワは見た目以上の怪力の持ち主ですばしっこかった。殴り飛ばされたメイジたちは魔法を唱えるのもやっとなほどで、早く重い拳で次々と殴り倒されていった。時には木々を投げつけてきたりとめちゃくちゃだった。
「く、くそ!エア・ハンマー!!」
「フレイムボール!」
やられっぱなしのままではいられない。兵たちは次々と魔法でヤマワラワを倒そうとする。火や風の魔法がヤマワラワを襲うも、怒りでほぼ暴走しきっていたヤマワラワはその暑さも痛みもものともせずにメイジたちを襲い続けた。
ヤマワラワは確かに強くて頼もしかった。けど、この怒りようが同時に恐ろしく感じられた。
「ヤマワラワもういいわ!もうやめ…」
これではただのトロル鬼以上の怪物だ。助けてくれとは願ったが、だからといってこれ以上、友達に蛮行をしてほしくないと願ったテファはヤマワラワに訴えた。だがその時、ヤマワラワの攻撃からかろうじて逃れた兵の魔法が、テファを襲った。
「きゃあああああああああああああああ!!!」
その攻撃が彼女に直撃、テファは、川に落ちてしまった。最後に見た光景は、ヤマワラワが川に落ち用とした自分を助けようと手を伸ばす姿だった。
直後、テファは川に落ちた。さっきも語ったとおり、流れは急だった。泳げなかった彼女は身動きがとれず、流され続けた。息が苦しい、水が冷たくて寒い。見たことはないが、例えるならまるで氷河の中だ。こんなに痛くて苦しいのは一体これで何度目だろうか。もう今度こそ、助からないのだろうか…。流されていく中、テファは、ついに生きることを諦めかけた。
だが、うっすらと目を開けたとき、夜だったはずなのに彼女の視界に、眩く輝かしい光が飛び込んできた。その光のせいか、さっきまで冷たかったはずの水が暖かく感じられた。さらに、光の中からテファに向けて手が伸びて来て、彼女の手をガシッと掴んだ。
――――■■■■。
このあと、テファは目を覚ました。父サウスゴータによって逃がされていたマチルダが、川岸に打ち上げられていた彼
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