再起-リヴァイヴァー-part2/兆しと和解
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
トは、自分をどれほどまで呪いたくなったのかわからないくらい悔しがった。ルイズがかつて、自分に『意気地なし』と罵倒したときのことを思い出す。のこのこと地球に帰ることになれば、この世界で築き上げたものがいずれ襲い来るであろう驚異によって消えていくのだ。ほんの数年前の、ツルギの光線によって一度全てを失ったあの時の自分のように…。
アルビオンでは要らない意地を張って変身を拒絶していたせいで誰も何も守れなかった、今はそんな自分が嫌だから地球へ逃げ帰ろうとしていた…。
本当に、レオの言うとおり自分は現実逃避していたとサイトは思った。ゼロと一体化し、戦うと決めたとき…アンリエッタからレコンキスタが怪獣を戦争の兵器として操っていると聞いたときは、任務をこなしつつも、なんとしても真相を確かめようと決めていたのに…。
二人に共通していたものが、繋がった。
サイトとゼロは、一度全てを失い、再びそのようなことが起こることを頑なに嫌がる者同士だった。そして、本当は自分以外の誰かがそうなってしまうのが耐えられなかったはずだった。
だからサイトはゼロの周囲を顧みない戦いに憤慨していたし、一度はゼロを否定した。だからゼロは、サイトから非難を受けても街に被害が出ても速攻で敵を倒すことで、自分と同じ『孤独』に迷う者が増える可能性を減らすために無茶をし続けてきた。
「…ぐ…う…ぅう…!!」
いじけていた自分が悔しくて、情けなくて、惨めで…。サイトは、顔をぐしゃぐしゃにして泣き出した。その涙はサイトだけじゃない、ゼロ自身の涙でもあった。
「その顔はなんだ?その目は…!!その涙はなんだ!!?」
しかし、ゲンの喝はまだ終わらない。容赦なく厳しい言葉を浴びせながら、涙まみれの顔を上げてきたサイトに向けて怒鳴った。
「お前のその涙で、お前の大切なものを、守りたいと願ったものを守れるのか…?」
「…」
自分たちが戦う相手は常に無慈悲だ。たとえ泣いたところで逃がしてくれるわけではない。戦場で泣いたところで、彼の言うとおり何も意味もないし隙だらけになる、寧ろ殺してくれと言っているようなもの。ゲンはおそらくそう言いたかったのかもしれない。
彼の故郷は光の国ではなく、『サーベル暴君マグマ星人』によって滅ぼされた星、『獅子座L77星』だ。父だった王や民たちは死に、弟とは長きにわたって離れ離れになった。
新たな故郷として地球に移住し、マグマ星人との戦いで負傷したウルトラセブンに代わって地球防衛にあたっていた頃も、未熟だった彼は心を鬼にしたセブンからの指導で、何度も敗北して挫けそうになっても、その度に必死に努力し、新たな技を持って勝利を勝ち取ってきた。その果てに、友人や防衛チームの仲間、そして恋人が死んでも、彼は戦い抜いてきた。その修羅場をくぐり
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ