羨望-エンヴィ-part3/羨む少年、羨まれる青年
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てしまうことがあっても、通り過ぎた先でUターンし、正面から回り込んでしまえばいい。その結果が、たった今の現状だった。
?自分でも、このシルフィードの、子供の竜ながらも通常の使い魔と比べて圧倒的な速さと体力を誇る。だが、相手が相手とは言え、こうしてあっさりと追いつかれてしまった。これが怪獣…常識を逸脱したその驚異の前にして、タバサはその驚異の大きさを改めて実感した。
?もうすでにハルケギニア大陸の上空。トリステインに到着するのも時間の問題となったところで、追っ手の怪獣をなんの前触れもなく差し向けられ、そして絶体絶命の危機に立たされてしまったサイトたち。
?(…きっと何も守れなかった…何もなせなかった俺たちへの罰なのかな…)
? サイトは戦意を失っていた。もう変身する間も与えられずに自分たちは止めを刺され、コイツの餌としか食われることとなるのだろう。
ああ、俺の人生て…結局なんだったのだろうか。全然笑えもしない形の不幸ばかりが降りかかり続け、たまにいいことがあったと思ったら一気に絶望のそこへと叩き落とす。
こんな残酷な世界で、俺は何のために…。
「きゃああああああ!!」
?仲間たちが悲鳴を上げ、残された両腕で己の身を覆って見せた一方で、サイトは自分のこれまでの人生を振り返った。自分はこの世界に来て、かつての辛い過去を清算できるほどの力を手に入れた。だが…結局大したこともできず、こうして仲間たち共々食われていくのをまっているだけしかできなくなるだなんて…。
アリゲラの鋭い牙の生えた口が開かれルイズたちを食らいつこうとした、その時だった。
?アリゲラとサイトたちの間に紅き光の弾が飛来し、サイトたちを食らおうとするアリゲラの前に、人の形を象りながら立ちふさがった。
「グギギ…!?」
?人の形から、やがて赤いオーラを纏った銀色の体の巨人が、手から放たれる念力でアリゲラの動きを封じ、指一つ触れないまま押し出していく。
「オオオオオオオオ…!!!」
眩い光で一度目を閉じたルイズたちだが、目を開いてその光の正体を確かめた。
「ウルトラマン…!」
「た、助かった…はあ…」
?光り輝くその背中を見てキュルケは安心の笑みをこぼし、ギーシュは深いため息をついた。
?紅きオーラ〈オーラミラージュ〉を身にまとったウルトラマンネクサス・アンファンスは己の身を包むオーラを解くと同時に、手刀を叩き込んでアリゲラを地上へと叩きとおした。
「フン、デアア!!」
「ゲアアアアアア!!?」
?脳天に重い一撃を受け、くるくると回転しながらアリゲラは地上へと落ちていき、激しい土飛沫を上げながら地上へと落下した。それを追って、ネクサス自身も地上へと降り立ち、ちょっとよろめきながらも立ち上ってきたアリゲラの方を向いた途端、直ちにジュネッ
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