羨望-エンヴィ-part3/羨む少年、羨まれる青年
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サの言うとおりだ。何か聞こえる」
サイトも、なにか聞こえていたらしく、夜の闇の中へ耳を澄ませていた。この聴力も、皮肉にも彼と同化を果たしているゼロのおかげなのだが。
「…!タバサ!右へよけろ!」
「シルフィード!」
?サイトから怒鳴られたタバサは反射的にシルフィードの名を呼び、直ちに右方向へ避けさせた。瞬間、シルフィードのすぐ左方向を巨大な何かが、まるでジェット機のような勢いで通り過ぎた。その風圧の余波が、シルフィードと彼女の背中に乗るサイトたちをも襲った。
「きゅい…!!」
シルフィードは誰も振り落とさないようすぐに持ち直そうと翼を羽ばたかせ、かろうじて体制を整えた。
「な、何!?」
何が起こったのか理解できず、ルイズが声を上げる。
「やばい!!怪獣が、俺たちを追ってるんだ!!」
?目を凝らし、サイトは闇の中を覗き見る。ゼロと体を共有しているためか、ウルトラ戦士特有の能力『透視』を扱うことができる。そのためか、この闇の中に潜む怪物の姿や位置をある程度把握することができた。
「な、なんだってえええ!!?どうして僕らなんかを襲って来るんだ!」
?ギーシュがそれを聞いてギーシュがビビって悲鳴を上げた。こっちは別に彼らを怒らせるようなことは何一つしていないのに、襲って来るなど理不尽だと思っているのだろう。
いや、理由なんかどうだっていい。
?ルイズは緊急事態になったせいか、さっきまでで蟠り関係なしにサイトに尋ねてきた。
「ど、どうして私たちのいる方向がわかるの!?今は夜だから、あいつだって私たちのことがそんなに見えていないんじゃないの!?」
「あいつは、アリゲラは目を持っていないんだ!だからその代わりコウモリみたいに超音波を発して俺たちの位置を探知できるんだ!」
?サイトは、今自分達を襲っている怪獣のことを知っている。
『宇宙有翼怪獣アリゲラ』。目を持たず、両肩の発光するパルス孔から発する超音波で辺りを確認でき、水中、空中を天馬の如き速さで駆け抜ける、疾風のごとき怪獣だ。確かに目を持たない状態でも獲物を襲うことができる器官があれば、一生をある意味暗闇の中で生きるアリゲラに夜の闇など無意味だ。この音速の速さを生かした戦い方に、あのメビウスも苦戦を強いられた。
「シルフィード!」
?あいつの方が体が大きい分小回りが利かないはず。シルフィードに命じて全速力で逃げるしかない。
?しかし、サイトたちは次に目の前を向いた時には、絶望感に満ちた表情を浮かべていた。すでに、自分たちの目の前にアリゲラが待ち構えていたのだ。
(は、速すぎる…!)
?シルフィードも確かに早く小回りが効く優れた機動力の持ち主。しかし、圧倒的な巨体を持つがゆえに小回りのきかないアリゲラが追いつけない理由にならない。もしスピードを出しすぎてシルフィードを通り過ぎ
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