暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
羨望-エンヴィ-part3/羨む少年、羨まれる青年
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「奴らにも奴らの事情がある。ずっと留まれだなんて無理な話だ」
「そうね…」
?シュウがそう言うと、現実に回帰してテファは寂しそうに納得した。
「さ、いつまでもここにいたら夜風で風邪をひいちまう。そろそろ家に入りな」
マチルダはテファや子供たちに家に入るように言うと、テファを率先にみんなは小屋の中に入っていった。しかし、シュウは子供達が小屋の中に入っても、すぐに入ろうとはしなかった。
「どうしたんだい、シュウ」
マチルダに名前を呼ばれ、シュウは彼女の方を向く。彼の手には、すでにエボルトラスターが握られ、埋め込まれたクリスタルが生々しい心臓の鼓動音を鳴らしながら光っていた。
「…」
その意味を理解して、マチルダは彼に真剣な眼差しで見る。
「行くんだね」
「最近、レコンキスタとやらが怪獣を操っているという話をよく耳にする。おそらく、あいつらを狙う刺客が放ったものだろう。だったら、俺が選ぶべき選択は…」
輝くエボルトラスターを見て、シュウは頷いた。
「…いいさ、行っといで。けど、あんたがあの子のである使い魔以上、最優先事項はわかってるよね?」
?マチルダからそう問われると、シュウは無言のままサイトたちが飛び去った方角を振り返り、エボルトラスターを鞘から引き抜いた。




?シルフィードに乗って空を飛び立ってからも、やはりルイズとサイトは互を避け、一度も言葉を交わさなかった。あまりにキリキリとした空気だった。特にこの空気はまっさきに耐え切れなくなったギーシュは声を漏らした。
「そ、それにしてもみんな無事で…よかったんじゃないかな〜」
?なんとかこの空気を軽くしようと思ってギーシュがわざとらしい笑みを浮かべて皆の無事を喜んでみたのだが、サイトがドスの入った声で言った。
「誰かさんはそう思ってねえみたいだけどな…」
う、と息を詰まらせるギーシュ。その誰かさんとは、紛れもなく彼のご主人様なのだろう。
「そ、そんなことはないだろ?なあルイズ」
「…知らないわよ」
ルイズはトゲのある物言いで話を切ってしまった。余計に空気が張り詰めてしまったようにしか思えない。とはいえ、キュルケ自身もこの空気にずっといても平気と言えるほど図太くはない。まったく、どうせいつものように痴話喧嘩したのだろうと思っているのだが、いい加減同じ空気の中にいる自分たちのみにもなって欲しいものだ。どの道ギーシュではなんの解決も導き出せないだろうから、自分が一言言ってやろうとサイトとルイズに声をかけてみることにした。
「ねえルイ…」
?すると、タバサが急にシッ!と唇の前で人差し指を突き立てた。
「何か聞こえる」
?そう言われてキュルケが、そしてみんなが周囲に耳を傾ける。聴こえてくるのは、夜風が吹く音だけだ。何も聞こえないじゃないか。
「…いや、タバ
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