過去-パスト-part2/復讐の宇宙忍者
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同でサイトを探そうと駆けだそうとしたとき、ミライのメモリーディスプレイから着信音が鳴りだした。燃えるような炎のエンブレム『ファイヤーシンボル』を刻み込んだそのメモリーディスプレイを手に取ったミライは通信に出る。
「こちらミラ!…イ…?」
ミライはディスプレイ画面を見たとき、驚愕を隠せなかった。その画面に映っていたのは、ミライもよく知っている宇宙種族の姿だった。
『ヒビノミライ、我々はお前と話を話をしたい。指定した座標へ一人で来るのだ』
そう、ウルトラマンとはもっとも因縁の深い宇宙人、バルタン星人である。メモリーディスプレイ画面が強制的に一体の地図に切り替わり、一点の地点に赤く明滅するポイントを表示した。
『言っておくが、このことは他言無用にせよ。さもなくば…』
「…サイト君のことだな?」
明らかに脅しをかけてきたバルタンに対し、ミライが普段の穏やかさが嘘のようにも思わせる怒りの形相で睨み付けてきた。
『その通り。あの少年は我々が預かっている。約束を拒めばどうなるかわかっているな?』
バルタンからの通信はそこで途切れた。
「…あなたはここにいてください」
苦々しい表情を浮かべたまま、ミライはやむなく指定したポイントへ向かうことにした。
話はアンヌも聞いていた。若い頃…ウルトラ警備隊の隊員だった時の事を思い出す。自分も幾度か星人に襲撃され、命の危機に瀕してきた。その過酷さは引退した現在も身に染みて理解しているつもりだ。ミライだけを使命し、決して他人に明かすなと言われた。恐らく自分も口を閉ざさなくてはサイトの身が危ないということだ。だがここでじっとしていてもサイトが星人の手に落ちたままだし、かといって迂闊にバルタンに向かってもそれこそサイトが危ないということだ。
「…元とはいえ、あたしもウルトラ警備隊なんですからね」
このまま侵略者の掌に踊らされるのは癪に障るし、自分が愛し面倒を見ると決めた子供が危機に陥っているのだ。ここ立ち止まるなどあってはならない。なんとか確実な手であの子を救わなくては。
「二人とも、少し待ってくれ」
すると、アンヌの前に、ミライとは入れ替わるような形で一人の男性が姿を現した。男からはその身にまとうオーラが、いくつもの修羅場をくぐってきたことを物語らせていた。
「あなたは…?」
「怪しく見えるかもしれないが、俺は敵ではない」
男はアンヌの方へ向くと、丁寧にあいさつした。
「初めまして。元ウルトラ警備隊、友里アンヌ『先輩』。俺は…」
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