過去-パスト-part2/復讐の宇宙忍者
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て途方に暮れている、そして悲しみのあまり本来の明るさを失ってしまったのだと気付いた。
かつて、アンヌは若い頃にある想い人と永遠ともいえるかもしれない別れを告げた。だが、彼はどこかで生きている、遠い宇宙から自分たちを見守り続け、元気な姿で帰ってくる。そう信じて疑わなかった。そして、現に彼は神戸で復活したと言う『異次元人ヤプール』との戦いで帰ってきてくれていたことをニュースで知り、歓喜にあふれた。だがサイトの場合、二度と戻ってくることはない。死んだことがはっきりしているのだから。ならば、新たに誰かがサイトを、巣立つその時まで支えてあげなくてはならない。この少年が自身の痛みを乗り越えて未来に生きる力とするために。何より、彼女の元来の優しさが、サイトが大切な肉親を失って悲しみに打ちひしがれたままであることが許せなかった。自ら母となることでサイトを立ち上がらせてあげたいと決意した。
しばらくサイトを追い続けたアンヌだったが、サイトの姿は忽然と消えていた。どこへ行ってしまったのだろう、彼女は引き続きサイトを探しに行ったのだが、一行にサイトの姿は見つからなかった。警察に連絡を入れ、もしかしたら宇宙人が絡んでいるのでは?とも考え、GUYSにも通報した。GUYSは子供一人の捜索のためにクルーを動かすことはできないと渋っていたのだが、これに名乗りを上げてきたのはあのミライだった。自分と同じウルトラマンを憎む少年の身に何かが起きた、と聞いて立ち止まってはいられなくなっていた。
結果としてミライが現地での捜索に参加し、フェニックスネストから怪獣に詳しい『クゼ・テッペイ』と元保育士の隊員『アマガイ・コノミ』がサポートすると言う配分になった。他の隊員はまだ現地の危険度が謀れていないこともあり、緊急事態に備えてブリーフィングルームで待機となった。
「本当に、こんな時間に一人で出かけたんですか?」
直接アンヌと会って話を聞いたミライは、サイトのことを聞いて目を丸くしていた。
「暮らすようになってから見てきましたが、夜更かしは珍しいことではなかったんです。でも、少なくとも夜に出かけるような子ではありません」
それに、あの時のあの子は何かに操られていたかのように上の空で、若い頃、ウルトラ警備隊に勤めていた際は侵略者に操られた人間を幾度か見たことのある、同時に襲われたこともあるアンヌとしてはどうもただ事だとはどうしても思えなかったと語った。
「…」
ミライの表情が険しくなった。サイトのことは忘れたことはない。自分がこれまで守ってきた…会ってきた地球人の中で珍しくウルトラマンを憎む少年。もしかしたら、何者かが彼を利用したのではと勘ぐった。実際その通りだが、今のところは何の確証もない上、肝心のサイトがいないためなんとも言えない。
ともあれ、周囲でサイトを探し回っている警官たちと共
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