喪失-ロスト-part4/滅亡の王家
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ールズを除くサイトたち全員がワルドの魔法で後方へ吹っ飛んだ。部屋の隅に集められた散りのように一か所に集められたサイトたちを尻目に、彼は足元にただ一人残されたウェールズをレビテーションの魔法で頭上に浮かせた。
「ワルド、皇太子様を一体どうするつもり!?」
ルイズがワルドを睨み付けながら問うと、ワルドはなんの悪びれもなく答えた。
「あの炎の用心棒…グレンファイヤーと言ったか?奴は厄介だからね。今のうちに殺しておかなくてはならない。ウェールズはそのための…」
「人質…!!」
タバサがそう言うと、ワルドは嘲笑し、床に転がっているサイトをごみのように見下ろしながら、彼の心をとことん追い詰める言動を連発した。
「ガンダールヴ、覚えておくがいい。ウェールズがこうなったのは貴様のせいだ。ガンダールヴ、ほかならぬ貴様がウェールズをこのような目に合わせたのだ!貴様のその弱さが!無力さが!全ての災いとなったのだ!!」
「…!!」
「ふざけたこと言わないで!全部あんたがやったことでしょう!
サイト、サイト立って!!お願いだから!!」
言いがかりも甚だしい。ワルドの言い分に反論したルイズはサイトに立ち上がるように言うが、対するサイトは立ち上がることさえもできなかった。
「時期にここへはレコンキスタの兵どもが来る、どのみち貴様らには生き残るすべはもう残されていない。だが、せめてもの情けだ。貴様ら全員、俺が痛みさえも与える間もなくあの世へ送ってくれる!!」
そう言って、彼は再びその杖に雷撃を灯していく。ウェールズにも食らわせた、ライトニングクラウドだ。
「だ、だめだ…やっぱり子爵は強すぎる…僕らが束になったところで勝てるわけないんだ…」
ギーシュは敗北感のあまり完全に絶望し、サイトほどじゃないが戦意喪失状態に陥っていた。
「タバサ、何とかできないの!?」
「…無理、あれのせいで」
キュルケが悲鳴を上げるかのようにタバサに言うが、タバサはワルドの操るジャンバードを指さして首を横に振った。あの飛行機械のビームは、詠唱を必要とする魔法と違ってすぐに発射できるうえに一発一発が確実に人間を殺せるほどの威力だ。魔法を唱えたところですぐにこの身を焦がされるのが早くなるだけ。
「それと…ルイズ。君からは手紙もいただかせてもらったよ」
どこまでも人を追い詰めれば気が済むのか。ワルドの手には、アンリエッタがウェールズのために当てた手紙が二通とも握られていたのだ。
「い、いつの間に!!?返して!!」
肌身離さず持っていたはずなのに!なんて手癖の悪い男なのだ。
もしあれが奪われたら、トリステインとゲルマニアの同盟が破棄され、トリステインは絶体絶命の危機に陥ってしまう。返すようにルイズは喚くが、当然ワルドがそんな願いを聞き入れるはずがない。
「これでもう貴様らのような
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