喪失-ロスト-part4/滅亡の王家
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ある光景が走馬灯のように流れた。
故郷の地球、破壊しつくされた街の建物の瓦礫の間を走りながら、叫び続ける自分の姿が。
『父さん!!どこなんだよ!!』
『母さん、返事してくれ!!』
『父さん!!母さああああん!!』
『ウルトラマン、早く来てくれえええええええええ!!!』
「………!!!」
過去の記憶を思い出して思わず立ち止まってしまったサイトの隙をついて、ワルドが風魔法の詠唱に入る。
「いけねぇ相棒!魔法が来る!」
デルフの声でやっと我に返った時には、もう遅かった。すでにワルドの詠唱は完成していた。
「受けるがいい、風系統の最強魔法…『ライトニングクラウド』!!」
「!!」
ズオオオオオオオオオン!!!!
激しい轟雷の音が、廃墟と化した教会に轟いた。思わずルイズたちは眩い雷鳴の光を直視できず目を伏せた。
「ふん、手加減して様子を見てみても、この程度か…な!?」
鼻でサイトを笑い飛ばすワルド。うっすらと、醜悪な笑みが浮かび、とても容姿端正な彼の面影はどこにもなかった。自分の魔法で舞い上がった砂煙を軽く魔法で払うと、ワルドは思わず絶句した。それは、サイトや彼の後ろにいたルイズたちも同様だった。
「が…は……!!」
サイトの前に、雷撃による負傷で血を流し、全身に大火傷を負わされたウェールズが立っていたのだ。ワルドが魔法を放とうとしたその一瞬、彼はその身を挺してサイトの盾となってワルドのライトニングクラウドをその身に受けたのだ。
しかし、手加減をしたとワルドが言っていても、スクウェアクラスの魔法をもろに食らって平気な人間などいない。口から血を流し、ウェールズは崩れ落ちるようにその場に仰向けで倒れこんだ。
「「皇太子様!!」」
ルイズたちが一斉に倒れたウェールズの元に駆け付けた。
「イル・ウォータル・デル」
直ちにタバサがウェールズに水の治療魔法『ヒーリング』をかけるが、あまりの威力のため負傷も激しかった。トライアングルクラスのタバサの魔法でも、とても感知するにはかなりの時間が必要なほどだった。
「ぐ…はあ…はあ…!!」
「そんな…俺を…かばって…!!」
サイトは、自分をかばって倒れたウェールズを呆然と立ち尽くしたまま見つめ、思わず剣を下ろしてしまった。一体自分は何をしていたんだ。ワルドの偶然に言い放った言葉で、過去の嫌な記憶を思い出して突っ立ってしまうなんて…。
「まるで人形のように魂が抜けたな、ガンダールヴ。まさか、王族であるウェールズがたかが平民の一人である貴様をかばうなど予想もしなかったぞ。それにしても、手加減してはなったとはいえ、まだ息があるのかウェールズ。ま、ちょうどいい」
「きゃあああ!!」「うああああ!!」
ワルドが軽く杖を振うと、ウェ
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