用心棒‐グレンファイヤー-part3/炎の空賊たち
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「か、怪獣…!?」
青ざめるギーシュ。見ると、あのワルドでさえこの音波にかなり堪えていた。どうする、奇怪な音を出してこちらの自由が奪われたこんな状況では、船員たちも船を出して脱出を図ることもできない。万事休すか?
これはサイト自身も同じことを考えていた。サイトは自分の左手首に撒かれた宇宙金属製のリング…『テクターギア』を見る。この状況を打開するべく、やはりゼロに変身するべきか?……いや、俺は何を考えているんだ!サイトはすぐその案を却下した。今はまだルイズたちが自分のすぐ近くにいる。ここで変身したら自分たちの正体が明るみになってしまう。そうなると、後々どんな厄介ごとが起こるかわかったものじゃない。ばれない限りは、正体がばれるような行為は絶対に避けなければ。
第一、あんな奴に任せておいたら、街の人たちだけじゃない。ルイズたちにまで被害が今度こそ及んでしまうかもしれないじゃないか。いかにこいつがウルトラマンで、これまでの地球人たちが頼りたがる気持ちに嘘が着けないとしても、こんな奴に戦いを任せるなんて状況が悪化するだけである。
しかし…今の自分たちにあの怪人が倒せるのか?そう言われると、サイトはどうすればいいのかわからなくなった。
(ゼロなんか当てにできない。でも…)
自分の武器は武器は剣。接近して斬りかかったところで踏みつぶされるがオチだ。仲間たちの場合だと魔法。これについては、歴代の防衛軍と同様遠くから怪獣や星人を狙い撃ちにできる利点がある…が、一発一発の攻撃ではきっと威力が足りない。ベル星人を倒すには一人一人の力を集めて一転集中の攻撃を放つという手もあるが、こんな即席の作戦であの星人を倒せるのか?
「ぬ…おや、あ…あれはなんだろう?」
ふと、耳をふさいだままのギーシュが頭上の空を見上げ、指をさした。何か、小さくて黒い塊のようなものが遠くから近付いている。
「軍艦」
タバサもそれを見て、そう言った。確かに目を凝らしてみてみると、空を飛ぶ軍艦のようだ。アルビオン軍のものだろうか。それとも…。
「こっちに近づいてる…」
「こんな時に…貴族派の軍艦かしら…?…いえ、あれって!」
耳をふさぎながらいらだちを募らせるルイズ。近づいている船には、その船の所属する勢力を示すための旗が掲げられていなかった。しかも大砲が、こっちを向いているではないか。
「く、空賊だあああああ!!」
謎の巨大な怪人に続いて空賊の艦隊。残っていた船員たちはパニックになって騒ぎ始めた。船のすぐ付近の地面を次々と放つ砲弾で爆破させながら、軍艦は近づいてくる。船員たちは戦闘経験がなくても冷静に客の安全を考慮しなければならないのに、冷静さを失ってただパニくるばかりでたいした対応は全く期待できない。
「子爵様!あなたの魔法で何とかしてください!」
「い
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