婚約者-ワルド-part2/ゼロの憤り
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「そ、それは親同士がお決めになったことじゃないですか!」
二人を見て、婚約の話を持ち上げられたルイズはものすごく慌てていた。
「おや、僕のことが嫌いになったのかな?」
「そ、そうは申しておりません!」
ふと、ワルドはサイトに視線を向けた。
「君たちは、ルイズの使い魔君だったね。名を聞こう」
「えっと…平賀才人っす…」
「ギーシュ・ド・グラモンと申します。ワルド子爵」
「ヒラガサイト…変わった名だね」
「よく言われます…」
やっぱ異世界だとそんなに風変わりに聞こえるのか…。ちょっとしたカルチャーショックである…いや、使い方合ってたかな?一方で、サイトの方が注目されたことにギーシュはちょっぴりサイトを妬ましく思った。
「なに、親から名づけてもらった名前だ!きっと良い意味が込められた名前だろう。その名前に恥じないことを君はすでにやってのけているのだからそんなに落ち込むことはない。
先日、学院長から聞いたぞ。現に君は、ルイズたちと共にあのフーケから破壊の杖を取り戻したそうじゃないか!」
すでにフーケ事件のことはこの男も知っていたようだ。笑いながらワルドは、気さくにもサイトの肩をパンパン叩いて彼を励ましてきた。嬉しい反面、どこかサイトは悔しくなった。
(くしょ〜…しかもこいつ見た目通りのいい奴じゃねえか〜…)
ギーシュが美少年なのは確かだ。でも馬鹿でキザ。モグラを溺愛してるわ自分から薔薇を着飾ってカッコつけるあたり趣味も悪い。マニア受けするタイプに違いない。
でもこいつはギーシュとは大きく違う。目つきは鷹のようで、髭の形も整っていて、年を重ねても男らしいフェロモンを漂わせている映画俳優のようだ。怪獣や異星人という強大な存在を知っていること、自分がギーシュを圧倒しただけに、メイジはギーシュのようにひょろひょろで弱っちそう…なんて考えていたが、このワルドの場合だと秒殺されそうだ。全面的に男として勝てそうにない。元々モテなかったとはいえ、サイトはすごく落ち込んだ。
いや、もう一人イケてる顔の奴がいたのを思い出した。自分と同じウルトラマンの力を持った彼、シュウのことだ。あいつも自分やギーシュと年齢は変わってないように見えるが、あいつはその割にワルドに近いものを改めて感じた。
クールでストイックなイケメンウルトラマン。
…勝てねえよ。サイトは自分の周囲から、男として圧倒されているという事実に落ち込んだ。暗闇の中で四つん這いになって這いつくばる自分がスポットライトに照らされる姿が脳裏に浮かんだ。
「あの、ワルド様…そろそろ出発いたしませんか?」
あまりここで時間を食うわけにもいかないので、ルイズがワルドに出発を促した。
「おっと、そうだったね。さ、ルイズ。おいで」
「は、はい!」
ルイズはワルドに手を引っ張られ、ワルドの乗るグリフォ
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