婚約者-ワルド-part2/ゼロの憤り
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に!!俺が戦わなかったら、とっくにこの国はディノゾールやクール星人のような奴らに滅ぼされていたに違いないくせに!!
『怪獣の一匹も倒せやしねえ奴が、国を指先一つで動かすだ?魔法で俺たちを凌駕するだ?は!!笑わせんじゃねえよこの髭!!そもそも俺は別に、権力豚な貴族共の救世主になりたかったわけじゃねえってのに、勝手なことぬかしやがって!』
『ゼロ、落ち着けって!』
『これが落ち着いていられっかよ!!お前も聞いただろ!俺たちウルトラマンの存在を否定しやがったんだぞ!!怪獣相手に何もできなかった分際で偉そうに!!』
頭の中でギャーギャーうるさいのもあったし、怒って騒ぎまくるゼロを、サイトは一言言ってなだめる。確かにワルドの言い分は全部間違ってない。ワルドの言っていた貴族たちの勝手な言い分、何から何までウルトラマン頼りにすることは決して許されることではない。最悪ウルトラマンをただの道具程度にしか見ていないともとれるからだ。でも、だからってワルドのウルトラマンは邪魔者みたいな言い方にも納得がいかない。魔法は間違いなく、この世界の人間が怪獣と立ち向かうのに必要な力なのは確かだが、ゼロの言う通り、この世界の人間はまだ怪獣に刃向えるだけの力や連携は確認されていない。
『ワルド…もしこの旅で怪獣が出てきたら、その節穴同然の目をこじ開けて見ていやがれ。俺とてめえの間には天と地以上の差があるって事実を教えてやる!』
でも、ウルトラマンさえも凌駕する。そんな高すぎる目標を自身持って言ってのけるあたり、ワルドはそれだけの実力と自信を持つ男なのだろう。それに引き換え、俺は…。ゼロの力を借りないと怪獣と戦うことができない、…ギーシュの使い魔じゃないが、男として特にこれといった取り柄もないモグラ君だ。サイトは、内心卑屈になっていった。
ちなみにその間、ギーシュは今日の目的地であるラ・ロシェールの街の解説をサイトにしてあげた。スクウェアクラスのメイジが街の岩を掘り返し、その掘った場所に石造りの建物を建てたとか、なぜ山の中なのにラ・ロシェールは港町なのか?それはアルビオンは空を飛ぶ大陸で、アルビオンへ行くには風の魔法の効力を持つ石『風石』の力で動く船で行くからさ!と力説してみるが、結局サイトは、ラ・ロシェールに着くまでは無言のままだった…と言うより、怒るゼロを頭の中で必死に鎮めるのに集中していた。
結果的に無視されたギーシュは、泣いた。
「どうせ僕なんて…」
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