婚約者-ワルド-part2/ゼロの憤り
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ねっかえりが好きになるわけないし、あいつの実家はかなり偉いくらいの貴族だそうじゃないか。平民で使い魔で、異世界人の俺なんかとじゃ釣り合う相手じゃない。
って…なんで俺、ルイズのことをこんなに考えているんだ。いや…違う。
いずれ自分は地球へ帰らなくてはいけないんだ。ルイズに変な情愛を抱くなんて、いや、この世界の誰かと恋人になるとか…許されない。
だからルイズに婚約者がいるっていうことは、喜んでもいいはずだ。結構頼れそうな人で性格も決して悪くないワルド。この人なら自分がいなくてもルイズを守ってくれるだろう。
…考えると、この世界で知り合いを作ることさえ許されないようにしか思えなくなる。それは、あまりにも寂しくて、どこか悲しく感じた。
『なあ、ゼロ』
ふと、自分の中のゼロにサイトは話しかけた。
『あん?どうしたんだ』
『今まで地球を守ってきたウルトラマンたちって、地球を離れたときってどんな思いをしてきたんだろうな…』
これまでのウルトラマンたちは、きっと地球に強い愛着を抱いていたと思う。そうでもなければ、何十年間もの間、代替わりと言っても地球を守ってきてくれるわけがない。しかし、愛着が沸いたからこそ、地球から離れることがあった時は辛かったと思う。
『…俺が知るかよ。俺は光の国以外で長期間留まったことはないからな』
そっか…とサイトは呟くと、自然と上空を飛ぶグリフォンに乗る、ワルドとルイズの二人を見た。なんか、気に入らない。でも、どうしてか気にもなる。二人が何を話しているのか。
「僕は君を守るために、ずっと努力しここまで上り詰めた。無論もっと先へ行くつもりだよ。でもね、魔法衛士隊のグリフォン隊隊長に上り詰め続けた今日まで、僕は何度も見てきた。今の時代の貴族たちは腐敗し始めている。最近我々人間の前に現れ怪物を撃退した巨人…ウルトラマンが現れてから貴族の多くは『ウルトラマンに何もかもを任せてしまえ』と言っている者がいた。怪獣によって競争相手が減ったことをいいことに、貴族たちの多くはその権力と財産を盾に、以前より一層横暴さを極め始めている」
ゼロと一体化したおかげか、サイトは聴力も格段によくなっていた。盗み聞きはよくないとは思うが、おかげで会話するルイズとワルドの声が聞こえてくる。
「そんな混乱を招くウルトラマンのような、この世界において異端な存在に人間の運命をゆだねるべきかと思うと、僕はそうは思えない。というより、いてはならないと考えている」
『…!!』
今のワルドの言い分を、ゼロは聞き逃さなかった。今、こいつ何を言いやがった。
俺たちが…ウルトラマンが、要らない…いてはならないだと?
「ワルド、確かに私もウルトラマンにすべてをゆだねることは、貴族として恥を知るべきことだとは思うわ。でも、だからってそんな言い方までしなくても…」
流
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