婚約者-ワルド-part2/ゼロの憤り
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ンにまたがる。必然的にワルドの腕の中に抱かれる形になるものだから、ルイズは余計に恥ずかしくなった。出発を始めてからも、サイトはどこか心中穏やかではいられなかった。
「彼らにどうか祝福を…始祖ブリミル」
学院長室にて、窓から出発する四人を見届けたアンリエッタは彼らの無事を祈りながら見送っていた。振り返ると、ソファに添わるオスマンが落ち着いた様子でパイプをふかしていた。
「見送らないのですか?オールド・オスマン」
「ふぉっふぉ。見ての通りですじゃ」
あまりの落ち着きように、アンリエッタはため息を漏らした。
すると、学院長室へ飛び込むようにコルベールが入室した。
「いいいい一大事ですぞ学院長!」
「そんなに慌ててどうしたのじゃ。姫殿下の御前じゃぞ、ツルベール君」
「コルベールです学院長!い、いえ…それよりも!」
「落ち着いてください、ミスタ・コルベール。一体何があったのですか?」
あまりにも落ち着かない様子のコルベールに、アンリエッタが落ち着くように言葉をかける。
「も、もうしわけありません、姫殿下…。では…」
落ち着きを取り戻してこほんっと咳払いをすると、コルベールは学院に来たと言う使い物のからの知らせを伝えた。
「そ、それが…チェルノボーグの監獄から、収容されていた囚人が全員脱獄したとのことです!」
「そんな!あの牢獄が…」
「信じられないのはごもっともです姫殿下。門番の話ではさる貴族を名乗る怪しい人物に風の魔法で気絶させられたとのことです。しかもそれだけじゃありません…。その夜、チェルノボーグに謎の巨大な影が現れ、看守たちに壊滅的被害を与えたとの事!」
コルベールの報告を聞き、アンリエッタの顔がさらに蒼白になる。
「も、もしや…」
昨日、ルイズのアルビオン軍が怪獣を使役していると言う話をルイズにしたことをアンリエッタは思い出した。謎のメイジが現れ、囚人たちが怪獣の出現に紛れて脱獄。怪獣の出現については、これは考えてみると謎のメイジに都合がよすぎる。つまり…。
「そうです!城下に裏切者が、もしくはアルビオンの手の者がすでにトリステインに及んでいるということです!」
「!」
想像したくもなかった事実を聞いて、アンリエッタは思わず口元を覆い隠した。すでに、あの憎きアルビオンの…それも間違いなく貴族派の手の者がすでに徘徊していたという事実。衝撃を受けずにはいられないというのに、オスマンはどういうことか落ち着いた態度をとったままだった。というか、くつろぎ具合が全く持って抜けていない。彼の態度にアンリエッタは、遂に耐えきれなくなり、オスマンに怒鳴る。
「オールド・オスマン!先ほどからなぜそのような態度をとるのですか!このトリステインに危機が再び訪れようとしていると言うのに!!」
「まあまあ、落ち着きなされ。姫殿
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