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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
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 その日の朝、料理をしていたテファはちょうど調理に必要な食糧が少なくなっていることを知った。だから、この日シュウに、街を見てもらうついでに買い物を頼むことにしたのだ。
「あの…お願いしたいことがあるんだけど」
「?」
「エマと一緒にお買い物に出かけてくれるかしら?」
 後ろに隠れているエマの頭に手を添えながらテファはシュウに申し出る。
「…飯が少なくなっているのか?」
「え、ええ。ここから港町ロサイスまで遠いけど、お願いできるかしら?」
 エマを着いて行かせることにしたのは理由がある。エマも人見知りの激しい子だが、みなと比べてシュウへの敵意が薄い。それに、これは出会ってすぐに知ったことだが、シュウは文字を読むことはできなかった。不思議なことに国は違うのに言葉は通じる。でも文字は読めない。覚えるのにも時間を要するから、最低限の字を読むことのできるエマに付き添いを頼んだのだ。
「わかった」
 あっさりと承諾したシュウ。すると、彼は小屋の傍らに置いていたバイクを押し出していく。
「それって、シュウが乗ってきた鉄の馬?」
「これの方が早い。…大きすぎるかもしれないが、これを被れ」
 シュウはヘルメットを一つ取り出すと、それをエマに被らせる。まだ幼いエマには大きいサイズだったが、そこは紐の長さを調節することでカバーした。エマを後ろの席に座らせ、しっかり自分を掴むように言ったシュウは、バイクのエンジンを唸らせる。緊張しているためか、自然と力んだことでエマはしっかりとシュウの服を掴んだ。そしてシュウはハンドルを握ってバイクをゆっくりとエマを怯えさせない程度に走らせ、そのまま村からいなくなっていった。
 この日シュウが、アルビオン大陸が空に浮かぶ浮遊大陸だと知るのは別の話である。
「本当に走るんだ…」
 しかも馬と違って速度の調整が精密に効くという。あんな乗り物があるだなんて…。テファは自分が本当に箱入りなのだと思った。もっとも、バイクはハルケギニアに存在しない乗り物なのだが。
 でも、引き受けてくれてよかった。この辺りには行商人もたまに来るのだが、本当にたまにあること程度だし、自分がエルフと知ると恐れて逃げる人も時折いる。だから、彼のように手伝ってくる人がいるのはありがたい。
 さて、洗濯物でも乾かすか。洗濯籠を抱えて物干しへ向かうテファ。他の子たちは遊んでいたり、薪割りをやってくれていたりしている。そう言えばサムは、エマをシュウの付き添いにつれていくことを渋っていた。エマを人売りに引き渡すつもりじゃないのかと。テファはそこまで疑うつもりはなかったから異を唱えた。そんなことでは、いつまでたってもシュウと打ち解けることなんてないのだから。
 シュウたちに買い物を頼んでから二時間以上は経った。洗濯物を干しながら、どうすれば彼をこの村な馴染ま
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