召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
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わよ!」
「ああルイズ!まだ飲んでない…」
喚くルイズは、ギーシュが持っていたグラスを奪い取ると、その中のワインを一気にがぶ飲みしてしまったのだ。自分のワインを取られたギーシュ以上に、それを見たモンモランシーはあああ!!ッと声を上げてしまう。まるでなにか、明かされたくない秘密を暴かれてしまったように声を上げた。
「ごちそうさま!」
乱暴にグラスをテーブルに行くと、ルイズは部屋に戻って行った。
「も、モンモランシー…どうしたんだね?」
「やば…」
早く追いかけよう、モンモランシーはすぐにルイズを追いかけ始め、ギーシュも「待ってくれ!」と彼女を追って行った。
アンリエッタ来訪の前日、一つの騒動が起こる前兆の出来事であった…。
フーケ討伐任務で、サイトがテクターギア・ゼロの姿でシュウの変身したウルトラマンと正面から対峙した時のことだった。
サイトが失踪してからどれほどの時が過ぎただろうか。ハルナの精神は、もう限界に達しようとしていた。サイトが一向に見つからないままかなりの期間が経っていた。GUYSや警察の捜索隊による調査も、証拠が何一つ見つからないために中止となり、平賀才人という少年の死亡が確定となりつつあった。
ハルナはそれでもなおサイトがどこかで生きていると信じ続けていた。ただひたすら毎日、一途に彼女はサイトのことを考えていた。毎日サイトの家を訪ねて彼の義母と話したり、自分とサイトが一度クール星人に誘拐された秋葉原や、星人の宇宙船が破壊された空地に行ってみたり。しかしGUYSらが必死に探しても見つからない相手だ。ましてやたった一人の素人の少女が、手がかりを掴んだところでサイトを見つけるなどとあり得ない話だ。
女子クラスメートたちは、もうサイトのことは忘れて新しい恋に生きるべしと慰めてくれたが、ハルナは自分が思っている以上に一途で意固地だ。自分にサイトのことを諦めると言う選択肢を与えなかった。サイトに会いたい。たとえ何年経とうとも。それがハルナの決意であり覚悟であった。しかし強い意志の一方で、ハルナは精神的にも肉体的にもかなり衰弱し始めていた。この前の授業では倒れてしまったほど、彼女の症状は悪くなっていった。その日、彼女は体調不良を理由に早退することになった。
「…」
無言で、体調を崩した体をずるずると引きずりながらハルナは、病院へと向かう。足の歩きっぷりが様になっていない。とぼとぼとしていて弱々しい。
サイトに会いたい。ただ一途に思い続けるハルナは歩き続ける。
が、この日彼女にある魔の手が忍び寄っていた。
彼女を陰から覗き見る『何か』がいたのだ。それはハルナを建物の影からまっすぐ見つめ、ストーカーのごとく彼女を追っていく。シュコーシュコーと、まるでスキューバのレギュレーターを使った呼吸
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