召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
[15/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よよ…とわざとらしくもどこか本気で嘆いていた。
「あの犬、どこをほっつき歩いてるのかしら」
一方で、夜遅くになってもサイトが戻ってこないのを気にしたルイズは、不機嫌そうにサイトを探していた。
全く、人のことを苛立たせるのが本当に得意な使い魔なんだから!最初に会った時は人を悪者みたいに言って説教足れるわ、ゴーレムに潰されそうになったときだって頬をぶつわ、本当にもう!使い魔として自覚あるのかしら!
一度反省したことなのに、あたかもサイトが悪いみたいに心の中でぼやき続けるルイズ。
まあでも、それでも…助けにでもいるのよね…。とルイズは若干頬を染めながらぼやく。でもすぐ、自分の顔が熱くなっていることに気づくと、そんなんじゃないんだから!と一人勝手に喚く。はたから見れば頭の残念な子にしか見られない。夜だから校庭に人がほとんどいないことが救いだ。
ふと、塔の傍らから湯気が妙に立ち上っているのを見つける。気になって彼女はそちらに走っていくと、彼女は見てはならないものを見てしまった。自分の使い魔がメイドと仲良く、鉄鍋の風呂に、もちろんのことだが何も身に着けていない状態で入ってるではないか。しかし、彼女は怒りよりも先に、もっと別の…何か違う感情が流れ込むのを感じた。顔だって、見たくもないものを見て衝撃を受けたもの。
「は、ははは裸で密会とはいい度胸じゃない…」
ブチブチブチ…。顔の血管が膨らみ、破裂しそうになる。さっきのショックを受けたような顔から一転して彼女はこめかみの血管を浮き立たせていた。
っていうか、なぜ自分が使い魔なんかのことでこんなにイライラしなくてはならない。ああもう!腹が立つ!!
朝からずっとこうだ。あの使い魔のことを考えると胸が高鳴るばかりでイライラが募る。一体なんなのだ、この感情は。正直言って訳が分からない。
地団駄を踏み、とても淑女とは思えない力強い足踏みをしながら彼女は部屋に戻って行った。
すると、校庭に設置されたテーブルに、ギーシュとモンモランシーが二人で仲睦まじく語らっていたのを目撃する。なんだか、ルイズはその光景を見ていると無性に腹が立った。なんだかよくわからないけど、男女のああいう姿を見ると無性に爆発を起こしたくなる衝動に駆られた。まさに、リア充爆発しろ!!と。
苛立って喉が乾ききっていた。ルイズはギーシュとモンモランシーの元に近づく。
「おや、ルイズじゃないか。こんな夜更けにいったいどうしたんだね?」
グラスに注がれたワインを揺らしながらギーシュが不思議に思って声をかけてきた。
「なんか妙に不機嫌ね。もしかして、サイトのことかしら?」
モンモランシーも奇妙に思ってそう尋ねる。が、今のルイズにサイトの名前は禁句レベルの単語だった。
「知らないわよ!!ああもう!これもらう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ