召喚者-ティファニア-part2/もう一人の地球人
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もあるし、自分が無理やり彼の地元からここへ召喚したことの責任もあって、彼に逆らえる理由がないのだ。
少しでも始祖が用意した旦那候補なんて馬鹿らしいことを考えた自分は本当に馬鹿だとマチルダは思った。この男、かなり態度が尊大というか、毅然としすぎていると言うか…テファが間違いなく苦手意識を持たされるタイプに見える。今更ながら不安に思えてきた。テファに召喚させておいてなんだが、この青年は本当にテファの使い魔をやってくれるのか?と。
「一つ目に、ここはどこだ?」
「えっと…アルビオン王国のサウスゴータ領にある、ウエストウッド村…です…」
やはり思った通り、テファは彼の敵意にも見えそうな鋭い視線に押されている。すると、青年…シュウはジロッと鋭い視線でテファとマチルダを見つめ返す。
「…二日酔いか?それとも…俺をからかっているのか…?」
「い、いえ!!そんなことありません!」
睨まれた蛙のようにおびえるあまり、テファは必死に首を横に振る。
「おいお前!!」
すると、この村に住む子供たちの中で年長者と見える少年がシュウに果敢に言い放った。
「テファ姉ちゃんを怖がらせるな!!それ以上偉そうな態度をとるなら俺が…「ガキに用はない。俺はそこの女と話しているんだ。黙っていろ」…ぅ…!」
しかし、遮るようにシュウが凄みある気迫を込めた言葉を放ってその少年を黙らせた。
子供にも女にも容赦がない、大人げないと取れる彼の態度にマチルダは目を細める。
「ふざけているも何も、本当のことさ。ここはアルビオンって国のサウスゴータ領、ウエストウッド村」
「……」
まだ青年は疑わしげにこちらを見ている。何か証拠を見せないと納得しないだろうか…?でもこんな男を納得させられるものとはなんだろうか。
いや、ここはひとまずこの男がどこから来たのかを聞いてみよう。正直どこの国なのか見当もつかない格好をしていたし、あの鉄の塊みたいな乗り物についても聞いておかなくては。姉として、そして使い魔召喚を勧めた身として、こいつが本当にテファの使い魔を務めてくれるのかを見極めなくてはならないのだから。
「じゃあ、今度はこっちが聞くけど…えっと…『シュウ』って呼ばせてもらうけど…構わないかい?」
「好きにしてくれ」
「じゃあ改めてシュウ、あんたはどこの国から来たんだ?」
「…日本の東京、新宿」
は?それを聞いたときの、テファとマチルダは耳を疑う。なんだ、こいつこそ二日酔いじゃないのかと思わされた。それともさっきの鉄の乗り物から転げ落ちた際に頭を強く打ったのか?でも、こいつはどう見ても酔ってもいないし、頭を打って頭がおかしくなっているようなそぶりもない。いや、待てよ。マチルダは青年の左手首に装備されたものに目を向けた。銃器のつもりでテファに向けてきたが、あの鉄の乗り物も
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