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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
遭遇-コンタクト-part2/もう一人の巨人
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ツェルプストー家の家宝。キュルケのことを毛嫌いしているルイズも、それだけものものを使って伯爵を説き伏せようとしていることに関してさすがに戸惑った。だがキュルケはあっさりとしている。
「構わないわ。字は遠い国のだからか読めないし、載ってる挿絵だけならあたしには必要のない内容だったし。なんならあたしの方が魅力的だもの。
 それより、行ってみましょう。ダーリンの気にしてるメイドの子も、この兵士たちのことも気になるもの」
キュルケがそう言うと、サイトは三人を新たに連れて伯爵の屋敷へとUターンした。
 その場から屋敷の入り口へ差し掛かった時、サイトを襲ってきた死体兵士たちが再び起き上がり始めた。回復したからか、それとも機会を伺っていたのか。なんにせよ再びサイトたちを襲おうと、堕ちていた剣を拾い上げたその時だった。彼らは次々と、青白い光球に体を貫かれ、跡形もなく消滅した。



 そして入れ替わるように、白い短剣とよく似た模様を刻んだ小型の銃を握っていた、サイトたちが屋敷に入っていくのを見たシュウの姿があった。死体の消え去った芝生を見下ろすシュウ。
(伯爵は自分の配下が人間でなくなったことに気づかないまま、ただ『奴』に餌にされるとも知らないまま、気に入った女を連れ込ませていく。肉人形を操っている『奴』はこそこそ隠れ、決して姿を見られないように、肉人形に伯爵が浚ってきた人間を食らわせ自分がそれを食らう、か…)
 彼は目を閉じる。すると、彼の瞼の下の光景は真っ暗な闇ではなかった。どこか別の景色を映しだしていた。彼のそのヴィジョンに映ったのは、シエスタが突如豹変したばあやに襲われるという風呂場の光景だった。
目を開けた彼は、すぐさまサイトたちと同様屋敷の方角へと走り出した。




「学院の門弟も落ちたものだ!オールド・オスマンに厳罰を要請せねばならん!」
 再び伯爵の家をモット邸の応接間に、不機嫌極まりないとばかりの伯爵の声が響く。
「急を要したもので、許可なくお屋敷に侵入したことはお詫びいたします。そして、使い魔の不始末は、主人であるこのルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの不始末。どのような罰でもお受けいたします」
「ル、ルイズ…」
 片膝を着き、今回の件について深々と詫びるルイズ。そんな主の姿に、サイトの心には申し訳なさと同時に複雑な心境が芽生えていた。俺がシエスタを助けたいという思いは、結局俺個人の身勝手な思い上がりだったのか?
「王宮の官吏に剣を向けたことは重罪に値する。公爵家に影響が及ぶことも覚悟しておくのだね」
「待てよ!悪いのは俺だ!」
 さらに事は、自分とルイズだけの問題では済みそうになくなっている。それはお門違いだとサイトが抗議するが、キュルケによって止められてしまった。
「モット伯爵、これで手を打ちませんこと?伯
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