遭遇-コンタクト-part2/もう一人の巨人
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マニアの書物のことか?」
「あら、ダーリン知ってたのね?」
この話からして、サイトが伯爵と対談したことがうかがえた。
「まさかあんたが伯爵にお目通りするなんて。驚きを通り越して呆れたわ…」
ルイズははあ…とため息をつく。この使い魔には自分たちの常識がどこまでも通じないと言うのか。この先、この使い魔には苦労させられる気がしてならなかった。
「その家宝の書物って、結局なんだったんだ?」
いったいどのようなものだろうと、マンガ以外の書物に興味のないサイトも、異世界の歴史に触れる感覚で興味を示した。何より今は、もしかしたらそれさえあれば、流石に約束を守る気が見られない伯爵からシエスタを取り返せるかも知れないと言う期待もある。
「あら、あんなのに興味あるの。昔、私のご先祖様が召喚の儀式を行ったら突然ゲートから出てきたものよ。何の文字で書かれているのかわからないのと、女性の絵を描いたものみたいだったけど、興味のない内容だったからもしもの時の交渉材料として持たされたの」
家宝をあんなの扱いって…。キュルケはよほど興味を持っていなかったらしい。いや、興味を持ってもいないキュルケに持たせたあたり、それを手にした当時のツェルプストーの者はともかく、現代の実家のご家族も興味がなかったのかも知れない。
そう言うと、キュルケはその家宝とされる書物を取り出して見せる。
「って…エロ本かよ!」
まさかの物品にサイトはあんぐりと口が開いた。
間違いなくコンビニの雑誌コーナーで見かける成人向けの本であった。リアルにかつ鮮明に撮影された女性の裸体がしっかりカバーに印刷されている。
なんでよりにもよってそんなものなのだ…
いや、それ以上に…なで地球の本がこの異世界に?つい突っ込んでしまったものの、このエロ本の出所については気になった。…断じて内容が気になったとかそんなんじゃないぞ?と、一体化しているゼロなのかそれとも第四の壁の向こうの皆々様に向けてるのかわからない補足を念入りに付け加えながら。
「なななな何よそのいやらしい本は!そんなものが家宝なの!?…ねぇサイト」
ルイズは高貴な貴族のお嬢様なだけあってか、性的な知識にはよほど耐性がなかったらしく、顔を真っ赤にして今すぐ引っ込めろとキュルケにハンドジェスチャーで指示する。
その通りにキュルケが本を引っ込める。どこか名残惜しい気持ちがサイトの中でよぎった。
「…ねぇ、サイト。何でちょっと残念そうな顔を浮かべてるのかしら?」
「な…なんのことでしょうか?」
ルイズには見抜かれていたサイトはあからさまに不自然な敬語と共に目をそらす。
「…まぁいいわ。でもいいの?内容がいかがわしいのが嫌に気になるけど、家宝をそんな簡単に交渉材料にしちゃって」
あの時、準備をしてくると言って持ってきたと思われる
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