暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
王都-トリスタニア-part2/傲慢なる戦士
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 サイトに言われた通り、ゼロはトリスタニアの一帯を見て回った。
 街は、ゼロとディノゾールの激闘の影響で酷く荒れていた。しかも、その爪痕の大半は、ディノゾールが町の建物を壊したこと以上に、ゼロが建物を踏み壊すことを全く躊躇しなかったことが最大の原因であった。
『それでもウルトラマンかよ!!何も…なんも守れてないじゃないか!』
 悲痛な叫び声をあげるサイト。過去の怪獣災害で彼をはじめとした地球人は心に傷を負い、それでもその痛みを背負いながら生きてきた。その気持ちを、ゼロのような怪獣と戦う者はくみ取らなければならないはず。
しかし…。
「…は!お前の知ってるウルトラマンなんざ自分から人の道具に成り下がろうとする奴らばっかじゃねえか。だから周りに被害が及ぼうが、そんなの俺の知ったことじゃねえんだよ」
『!?』
 人の…道具、だと…?こいつは、自分の同胞を…尊敬すべき先輩たちのことを『人の道具』だと?
「俺は俺の意思で戦う!俺の実力を認めさせるためにな!人間の道具なんかじゃねえ…俺こそが真のウルトラマンだって証明してやるぜ!!」
 信じられなかった。ウルトラマンが…自分たち地球人にとって英雄たる存在である種族の戦士が、こんな非情なことを平気で言い放つなんて…。
『―――なんて野郎だ…!!』
 こいつは地球を守ってきた英雄たちを平気な顔で見下している。
 信じていたのに、見事に裏切られた気分だった。サイトは、ゼロに対して凄まじい失望感を抱いた。

―――こいつは、『ウルトラマン』なんかじゃない、と。


―――俺は、こんな最低な宇宙人と合体したと言うのか、と…。





 一方でアルビオンのニューカッスル城。気分転換のためにバルコニーに出ていたウェールズだったが、突如見たこともない巨大なナメクジの怪物に襲われていた。
 なんだ、この不気味怪物は!?これまでオーク鬼やトロル鬼などのような怪物がいることは聞いたことがあるのだが、こんな巨大なナメクジのような姿をした悍ましい怪物は見たことも聞いたこともない。杖を構えフライの魔法で地面に降り、彼は得意の風魔法で応戦する。
「く、エア・ハンマー!!!」
 風の鉄槌が、ナメクジ型の怪物…『ブロブタイプビースト・ペドレオン』に炸裂する。
「ギエエエエエエ!!」
 ウェールズの魔法を食らってのけ反るペドレオン。だが、致命傷に至るほどのダメージは負わなかった。寧ろまだ全然平気なくらいだ。魔法が全く通じないわけではない。しかし、これでもそれなりに精神力を振り絞って攻撃したと言うのに、この奇怪な化け物は平気そうだ。嫌にやわらかそうな体の割になんと頑丈なのか。
 ふと、ウェールズの脳裏に先ほどの失踪事件対策の会議の光景が浮かぶ。レコンキスタとの戦いにおいて前線に赴いた王党派軍の者
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