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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
王都-トリスタニア-part2/傲慢なる戦士
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奴らをおびき寄せます!」
 その青年の名は『ウェールズ・テューダー』。教養と知性・仁徳にあふれた、17歳のアルビオン王国の皇太子。王族としての誇りも崇高なものがあり、誰の目から見ても次代の王に相応しい人物だった。しかしこの日の彼は、落ち着きというものを感じさせない。その立場でありながら、彼は自ら調査部隊を率いると申し出て、王党派貴族たちを驚かせた。
「なりませぬぞ皇太子さま!あなた様は次期国王!ここでたかが賊共による失踪事件の解決に御身を危険にさらすなどいけませぬ!」
 国王の側近の老貴族『パリー』が異を唱えた。王族に身を置く者たちを支える立場として、彼の発言を許容することはできない。
「だが、このまま味方が消えていくのを黙って見過ごすことは、このアルビオンを奴らの手に落とすことにつながる!人手が一人でも多く必要だ!」
このままじっとしていることなどできない。ウェールズは自分が出ることに何のためらいも抱いていなかった。
「そうだな…ウェールズ。お前の言うことももっともだ。だが、ならん」
「父上!」
 息子の、国のために戦いたいと言う思いは理解できる。だが、アルビオン王『ジェームス一世』は国のためにも我が子を危険にさらすことについて乗り気になれなかった。
「ウェールズ。お前は我がアルビオン王家の大切な跡取りじゃ。無謀な状況下へ身をさらすことなど許さん」
「私はもう子供ではありませぬ!この国の時代を担う者である以上、なおさら表舞台に立って国の皆のために戦うことが我が役目だと考えます!それに私の風魔法もすでにトライアングルクラス!必ずお役にたってみせます!」
「ならぬ!…ゴホ!ゴホッ!!」
 大声を出しすぎたためか、アルビオン王はひどくせき込んだ。彼はもう父というにはかなり年老いている方だ。ここ最近病気も患い始め、体調は決していいものではない。こんな状況ならむしろまだ若くて健康な息子にあらゆるものを託したいと思ってもいいはずなのに、アルビオン王はまだ玉座を下りようとしない。ここ最近はその病状故に家臣たちをハラハラさせている。
「陛下、ご無理をなされないでくだされ」
 側近たちが咳き込んだアルビオン王の背中をさすりながら忠告を入れる。
「ごふ…すまぬ、皆の者。…して、ウェールズよ。お前は何のために戦おうとしているのだ?」
 咳き込んだ姿を見せたことを謝った王は、息子の方へ視線を向けて尋ねてきた。
「それは、我ら真の貴族の誇りを、あの痴れ者軍に思い知らせ、始祖の名のもとに我らの正義を示すためです!」
「…あれを見るがいい」
 わかりきったことだ。自分たちはあの叛徒たちとは違って、始祖の血と才を受け継ぎし栄誉ある王家。それに恥じない人間であることを示さなくてはならない。それは父も理解しているはずだ。すると、アルビオン王は重臣たちに支
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