巨人-ウルトラマン-
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「あなたも無茶しないで。傷を見せてちょうだい」
モンモランシーはシエスタを座らせて足をピンと伸ばさせると、傷口から滴る血をふき取り、水の治療魔法をかけてシエスタの傷を癒していった。
「サイトさん…」
去っていったサイトの消えた森の入り口を見て、シエスタは彼の名を呼ぶ。まだ助けてもらったお礼を言ってもらっていない。自分にできることは祈ることだけだ。どうか、生きて戻ってきてほしい。ただそう願い続けた。?
「ルイズ、何してるの!止めなさい!」
魔法を放ち続けるルイズを見て、キュルケが見てられず彼女を引っ張ろうとしたが、ルイズは逆にその手を振りほどこうとする。
「離しなさいよキュルケ!逃げたいならあんただけ逃げればいいじゃない!」
「いくら犬猿の仲のあんたとはいっても、知り合いが殺されるところを黙って見てたら目覚めが悪いわよ!」
ルイズはキュルケを嫌い、キュルケもルイズをとことんからかってくるのだが、実は内心ルイズのことを実家の連中ほどキュルケは嫌ってはいなかった。普段の互いの対応のせいで、それに気づけていないだけなのだ。
「キュルケの言う通りだ!逃げろルイズ!」
そこへサイトも、常人離れした速度で二人の元に駆け付けてきた。魔法とは聞こえが良くても、あのくらいの威力ではとてもクール星人の円盤は落とせない。あれで落とすことができたら、今頃自分の故郷はウルトラマンに頼らなくても侵略者の脅威にさらされることなどなかったのだから。
ここへ来たのはサイトだけではない。キュルケの友人の少女、タバサもまたやってきて、指笛を拭いて見せる。すると、遥か空の彼方から、青い体をした一匹のドラゴンが飛来し、タバサの元に降りてきた。タバサの使い魔の風竜『シルフィード』である。
「ど、ドラゴン…!」
ゲームとかで知ってはいたが、所詮架空の何かと思っていたところがあったのか、実物を見てサイトは驚いていた。
「…寝坊助」
「きゅい…」
タバサはシルフィードの頭をこつんと、身の丈ほどある杖で叩いてしかりつける。存在自体が高等な風竜。彼女の使い魔の存在は、召喚したタバサの優秀さを証明するのに十分だった。が、こんな非常事態に気づきもせず寝坊すると言う以外に間抜けなところもあったのである。
「乗って」
緊急事態でも冷静さを保つタバサは、いつもの静かなテンションのまま皆に、シルフィードの背に乗るように言った。キュルケがルイズを引っ張って先に乗せ、自分もその後ろに乗り込む。サイトも乗り込もうと考えたのだが、やめた。まだ逃げ遅れている人がいるかもしれない。
「先に行ってくれ。俺はまだ避難が終わってない人がいないか確かめに行く!」
「さ、サイト!待ちなさい!」
そう言った途端、彼はルイズの引き留める声を無視し、剣を握って走り出した。同時にシル
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ