巨人-ウルトラマン-
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?あんな原始人…地球人以上に昆虫にも見えるあんな小娘一人に、我らの円盤に傷が入っただと!?クール星人のリーダーの心に焦りが現れる。
いや、これはこれで絶好の機会だ!自分たちの目的はこの星の人間の標本を集めること。ならば遥かに文明の低いはずの世界の住人であるにも関わらず円盤に傷どころかヒビを入れたあの娘はまさに興味深い。標本に、研究対象に相応しい。
「捕獲光線を使え!あの娘を何としても捕まえるのだ!」
一方で地上に残ったままのサイトは人が残っていないか学院の中庭を走り回っていた。これまで数人、まだ残っていた人がいたので彼らを誘導し、しかし相当走りまくったために体力が落ちてしまっている。
ルイズたちは無事だろうか?確か避難した場所は学院から少し距離を置いた森だったはず。そこへ行って安否を確かめに行こう。
と思ったのだが、サイトはここで自分の足を止めてしまうのに十分なものを見つけてしまう。
「シエスタ!」
破壊された学院の外壁が瓦礫となっていた。その傍らに、足を負傷し歩けなくなっていたシエスタが座り込んでいたのだ。不運にも、瓦礫に足が埋まってしまったせいで足にひどい怪我を折ってしまったのだ。
「い、痛…!」
とても走る余裕なんてない。シエスタは痛みで顔を歪ませていると、サイトが超特急で駆けつけてきた。彼の突然の出現に戸惑ったが、彼は構わずシエスタを背中に乗せた。
「シエスタ、しっかりつかまれよ!」
「ひゃ!?さ、サイトさん!?」
シエスタをおぶったサイトはそのまま一気に走り出した。走って走って、避難先の森へと急行する。シエスタは危険も顧みずに自分を助けに来たこの少年の背中が大きく感じた。胸が、不思議とドキドキする。
サイトがギーシュから決闘を挑まれたあの時、彼が殺されると思った自分は恐ろしくて逃げ出してしまった。でも、彼はなんと勇気があるのだろう。こんな状況でなおも心が折れないままでいられる。そして他の誰かのために体を張ることを躊躇わない。
シエスタは、彼に惹かれ始めていた。森に着くと、たくさんの避難者たちが貴族平民問わずそこにいた。
「誰か来てくれ!怪我をしている子がいるんだ!」
サイトは傷を見てくれる人がいないか呼びかけると、真っ先にモンモランシーがやってきてくれた。
「頼む、シエスタの足を治してやってくれ!」
「ええ、さっきの借りもあるし任せておきなさい。あなたは?」
彼女はサイトに怪我がないかを尋ねたが、サイトはまだけがをしていない。だからモンモランシーの問いを違う意味で捉えていた。
「ルイズたちが心配だ、見てくる!」
「あ、ちょっと!」
「さ、サイトさん待って!危険です!」
心配になったシエスタは彼を追いかけようとしたが、足の痛みのせいでバランスを崩して転んでしまう。
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