暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第202話 忍び寄る影
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戦闘、超近接戦闘を得意とする彼らだ。だからこそ、遠距離からの狙撃に関しての援護をシノンに任せたのだ。シノンは力強く頷いた。

 あの姿を再び見れば、またフラッシュバックするかもしれない。だけど、それでも。

 その表情を見たリュウキは笑みを見せて、シノンの肩を軽く触った。『――頼んだ』と言う言葉を残して。



 そして、シノンはスコープの暗視モードを切ると同時に倍率を限界にまで上げた。そして、直ぐにその姿を見つける事が出来た。


――いた。大きなサボテンの下。ぼろぼろの布地の下から突き出す特徴的な減音器(サプレッサー)と、バレルに後付けされたクリーニング・ロッド。……L115A3《サイレント・アサシン》。それを操る真の殺人者《死銃》。


 シノンは、この時一瞬だけ、もう1人の殺人者の事を思い浮かべた。死銃とは別にいるもの、死神。その殺人者も何処かで潜んでいる、このあたりに潜んでいるだろうと、思い 探索すべきか迷いかけた。だが、死銃の姿を完全に捉えた途端にその考えを消した。
 沸きあがろうとする過去の闇。そして恐怖があった故に。……だが、シノンは右目を見開いたまま、抗った。


――お前は、お前たちは亡霊じゃない。あの世界(ソードアート・オンライン)の中で沢山の人を殺し、そしてこの世界でも、現実に戻っても殺し続けた犯罪者。……ただの、犯罪者だ。なら、戦う事が出来る。そんな犯罪者の持つ銃に、負けない。私とへカートは。


 ボルトハンドルを引き、次弾を装填したへカートの照準を死銃へと向けた。
 当然だが、予測線はもう死銃にも見えている。だからこそ、トリガーに触れて僅かに絞った途端に、死銃が動いたのだ。だからこそ、これで条件は対等。


――さぁ、勝負!


 死銃とシノンは、互いに予測円をみずに即座にトリガーを振り絞った。その2つの弾丸が交錯する。

『狙撃をする時、固めを閉じないことを薦める』

 曾て指摘された言葉が脳裏に浮かぶ。
 見開かせた両の目、スコープを覗いていない左目とスコープを覗いている右眼がはっきりと死銃の弾道を読み取った。弾丸の軌跡は へカートの装着している大型スコープに向かっていた。片眼を閉じていれば、右眼だけを凝らしていれば、間違いなく頭部に直撃し、即死するであろう一撃を正確にシノンは読みきった。

 そして、甲高い衝撃音が耳のすぐそばで響き、その予測通りスコープに直撃し、跡形もなく破壊された。 そして、シノンが放ったへカートの弾丸50GM弾はL115のレシーバーへと命中した。

 リュウキがいう様に、超近接でしか使用できないナイフは例外としているが、GGO内の銃器類にはおおまかなパーツごとに耐久度が設定されている。通常の使用で損耗するのは弾丸を発射する銃
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