暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第202話 忍び寄る影
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存在に気づいていない、と判断し速度をゆるめる事無く、更に近づくのだろう。
 だからこそ、狙うのは 闇風の持つN900Aの射程範囲内に入った時、その時に必ず止まる筈だ。たった一度のワンチャンス。

――……今は耐えてキリト。私を信じて。

 疾風の如き速度で迫ってくる闇風。シノンは彼の存在も既にキリトは察知している事は判っていた。

――反応の鋭さ、そして速度の領域。……それでは間違いなくアイツが一番だ。

 キリトを信頼するリュウキもそう評している。そして、シノン自身もキリトとリュウキの予選での頂上戦を見ているからこそ、判っていた。だからこそ、シノンは耐えてくれ、と念じたのだ。反射で身体が反応をしてしまうかもしれないから。

 そして、更に全神経を集中させたその時だ。その瞬間が訪れたのは。

 視界の橋を白い光が右下から左下へと横切った。それは、銃弾。勿論へカートのモノではない。砂漠の東側から死銃が発射した《338プラア弾》だ。キリトがそれを驚異的な反応をもって、回避した故に闇風の近くにまで到達したのだ。

 その刹那、闇風は止まった。己の存在に気づいていない、と思っていた矢筈に 巨大な中断が突如飛来してきたのだ。咄嗟に腹ばいにならなかったのは、流石だと思えるが流石に予想外の攻撃であった為、闇風は岩陰へと方向転換しようとした。

「Check――」

 それは、最初で最後の狙撃機会。半ばへカート自身の意志に従うかのように、トリガーを引き始める。《着弾予測円》が表示され、それは一瞬で極小のドットにまで収縮。その心と心の間。精神の谷間を狙いトリガーを引き切る。

 ハンマーが撃針を叩き、50BMG弾の装填するチャンバー内で炸裂した。巨大な弾頭を瞬時に超音速にまで加速させる。

――……この域に達した攻撃を回避する者など、この世界には彼しかいない。……彼らしかいない。

 シノンは、もう成功を信じて疑わなかった。撃つ瞬間にまで、手に伝わる温もりがそれを更に拍車をかけたのだ。

「――mate」

 シノンが最後まで呟くのと同時に、そのへカートの咆哮は闇風を呑み込んだ。闇風の胴体部に直撃した。AGI一極型にしている故にか、極めて薄い防弾アーマー。それはまるで紙くずの様に貫通し、闇風の胸部分に命中。そのまま アバターを吹き飛ばした。そして、腹の上に浮き出た【DEAD】タグを確認した所で、シノンはへカート如、身体の向きを180度変えた。


『2発目を当てるのが難しいのは判る。弾道が既に表示されているからな。……が、死銃もシノンと同じ狙撃手(スナイパー)だ。伏射している可能性が極めて高い。伏射していれば、反応も鈍るだろう。……キリトの援護を頼めるか?』

 打ち合せ内の際にリュウキが言った言葉だ。近接
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