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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第202話 忍び寄る影
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だから。

『デス・ゲームであるのならば、殺すのは当然の事だ。……ゲームを、愉しもう。心ゆくまで。それが全プレイヤーに与えられた権利。そして 殺されるのは弱かったからだ。この世界で弱いのは罪だぜ』
『……弱いは罪。……死、か』
『Oh……。いい目、してるぜ? それが一番、楽しめるだろう?』
『く、くくくく……、そうだな。やはり、気づかせてくれるのはお前だったか』

 その笑みは、歪んでいた。人としての最後の1枚の皮を破り捨てて、出てきた表情。……それは、《人》ではなかった。

『さぁ、共に愉しもう。……死神(ザ・ハンク)
『……Of course(勿論だ)。PoH』

 この2人の邂逅により、笑う棺桶(ラフコフ)が誕生し、アインクラッドを恐怖に陥れる事になる。そして、PoHと死神の名も……。



――……死神は、死を再び欲した。その魂を刈り取る瞬間を、再び味わいたくて。



 当然だが、現実世界で、この現代社会に置いて、そんな事をそう易々と出来るものではない。単純な争いの場は、……戦場の類は世界に溢れている。だが一方的に、自分たちが愉しむ為に、殺す。そんな事が出来る場所などは何処にもない。あの世界で、多少なりとも鍛えられ、現実世界へ還元されたとしても、難しいだろう。

 そんな時、今回の計画(死銃)を知ったのだ。

 その話を訊いて、……何かを感じた。死を愉しむ事が出来る世界に赴ける事への歓喜ではない、ただ、何か(・・)を感じたのだ。

(お前)がいたから、と言う訳だろうな」

 砂丘の中央に佇む影から声が訊こえる。
 いや、影と呼ぶべきものではない。まるで空間が捻じれているかの様だ。僅かな光、闇の中で光る空疎な空の中の僅かな光が、そこに届いたと思えば、光が捻じ曲がりっていく。

 そして、数秒後 姿を現した。ボロマントの男。顔半分が髑髏をイメージさせた仮面に覆われ、目の部分は蒼く光らしている。

「そう、鬼がいる場所に死神もいる。……死神(オレ)は覚えている。あの時の狂気とも言える鬼の形相を。また、見せてみろ。アバター(姿)こそ違うが、その内に秘めた狂気を見せてみろよ」

 口調が徐々に変わっていく。
 いや、元に、この男の素顔に戻っているのだろうか。

 蒼い目を光らせながら、懐からナイフを取り出した。異形な形をしたナイフ、ククリ・ナイフを。

「あの女を殺したら、また味あわせてくれる、だろう? 鬼よ」

 ナイフの反対側には、あの銃(・・・)がある。この世界を、かつてのあの世界の様に変えてくれるただ1つの銃。

 死銃(デスガン) その頼りないと思える筈の小型の拳銃が何よりも重く、大きく、存在感を示していた。
 
 そして、軽く息を
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