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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第202話 忍び寄る影
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しているレベルじゃないか? とたまにリズベットにからかわれる事があるけれど。それでもある意味では良かったり、と考えてしまった所も読まれてしまって更に笑われた。
こんな状況ででも、思い浮かべるだけで 身体の力が抜ける。頭を冷静に保つ事が出来る。
自分が出来うる
全て
(
・・
)
、それに集中させる事が出来る。感じ取る事が出来る。
西方向からは、高速で忍び寄ってくる闇風が。
そして、無機質なのだが、何処か歪。そして、粘着くような冷たい――殺気。
砂漠の彼方より、確かに見えた小さな光。その正体が一体なんなのかは、即座に理解出来た。そう、ライフルの
発射炎
(
マズル・フラッシュ
)
。極限までに集中させていたキリトの《
超感覚
(
ハイパーセンス
)
》。
それを遺憾無く発揮し、凄まじい密度で凝縮された攻撃力の塊を回避する事が出来た。
「お……おおおおおっ!!!」
その瞬間、咆哮と共に キリトは 砂丘の大地を蹴った。
それは、とある凶人の話。
――死神は、いつも見ている。いつも、傍にいる。……
その時
(
・・・
)
が来れば、その姿が見える。
そう、これは半ば必然とも言える事。この世界は死で溢れている。故に、死神は 死にゆく者の魂を刈り取る為に、この世を巡る。その死の数だけ、死神も戯れる。
平和な
日本
(
国
)
で暮らしているからこそ、この国の者達は、それに気づく事が出来ないのだろう。だが、あの世界を生み出した事によって、一変した。生と死の狭間の世界で、変わったのだ。
戦いは死を生み続ける。そして、淘汰されるのは常に弱者。自分こそが強者。……弱者は死ぬしかない。だが、自分は死なない。死を齎す事はあっても、死ぬ事はない。
これが、あのゲームをやり続けて、得た新たな
役割
(
ロール
)
。
本来
彼
(
・
)
には 別にやるべき事があった。……だが、それは挫折をさせられた。茅場昌彦と言う名の天才によって。
……その話は、今は良いだろう。今は
彼
(
・
)
の存在についてだ。
この世は弱肉強食。それは云わば自然の摂理。形は違えど、どう言葉で取り繕っても、強者は、弱者を淘汰してゆく。糧としていく。あの世界で、上に登り続ける為に、他者を蹴落とす。踏みにじる。奪う。そして、力をつけていく。……強者で有り続ける為に。
だが、自分は少し違った。ただ、単に破壊を齎す。……死を齎す。ただ、それだけ。それだけを楽しむ様になったのは、
あの男
(
・・・
)
と再会した事が切欠だった。
ただ、それまでの道筋はどうでも良い。ただ、1つの
出口
(
ゴール
)
に向かって伸び続けていた道が 歪な光を帯びて、目の前に現れただけなの
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