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吹奏楽部(お姉ちゃん大好き)
小6のルル

三月の後半。ルルは、もうすぐ中学生になる。凄くワクワクしていた。
ある日、中学校の説明会、見学会が行われた。ルルはとても真剣に、授業を見学していた。
放課後。部活の見学会があり、ルルは、お姉ちゃんが所属していた吹奏楽部を見に音楽室へと向かった。
「あのう。吹奏楽部の見学って…。」
「あっ吹奏楽部の見学?ここで大丈夫だよ。」そう対応してくれた生徒は、二年生らしかった。
「先輩。見学一人来ました。」そう言って生徒は、一度部屋の奥に消えた。が、すぐに一人の生徒を連れて戻ってきた。それは、部長なようで、見学者名簿と書かれた少し古びたノートを持っていた。
「はあい。いらっしゃい。タタタ中学校吹奏楽部へようこそ。名前を教えてくれる?」
「はい。三座ルルです。」
「ええっと。三座ルルちゃんね。」
どうやら、お姉ちゃんのことは知らされていないらしかった。
こうして、入部希望者も集まり、パート見学が始まった。
「ええっと。どこ行こう…。」
「パート、悩んでいるのか?」
突然後ろから聞こえた男声に、ルルは驚いて振り返った。そこには、背はルルよりほんの少しだけ高い、黒縁メガネの男の人が立っていた。
「はい。どうしようかなって。」
「ユーフォはどうだ?」
「え!?UFOですか?何ですか?それ。」
その反応は想定済みだったようで、男の人は、口元を綻ばせた。
「UFOじゃなくて、ユーフォ。ユーフォニアムっていう金管楽器のことだ。まあ、知名度は低いけど、凄く良い音するんだぜ。」
「そうなんですか。でも、私、金管楽器なんてやったこと無くて。ちゃんと出来るか…。」
「大丈夫。しっかり教えるから。」
「前向きに考えてみます。」
ルルはそれだけを返すと、とりあえずお姉ちゃんが入っていたクラリネットを見学することにした。
「いらっしゃい。クラリネットパートへようこそ。クラリネットは、人数も見て分かるように多くて、とっても賑やかで楽しいパートです。」
こうして、小6の中学校見学は終わった。





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