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フリージング 新訳
第34話 Goodspeed of the East2
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学園長に呼び出され、カズトはイーストの訓練場へと呼び出されていた。
他には数人の科学者のような風貌の男達が数人。それらが、上の階からカズトを見下ろしていた。
その目には、カズトは人としては写っておらず、単なる観察対象あるいは実験用のモルモット程度にしか見えていない。

ーまぁ、初めての経験ではないよな……

これまでにも、祖父のせいで何度かこういう場面になったことはある。慣れているわけではないので、いい気分ではない。

『アオイくん。聞こえていますか?』

耳につけられたインカムから、学園長の声が聞こえてきた。

「はい、大丈夫です。聞こえてます」
『そうてすか。それでは、アオイくん。貴方には今から模擬戦をしてもらいます』
「……え、いきなりですか?」

先日から薄々感づいてはいたが、もしかしたら学園長には伝達能力という物に難があるのかもしれない。

「わかりましたよ……はぁ……それで、相手は?」
「それは私です」

ふと別方向から聞こえた声に振り向く。その声は少し低くすれば少年と言ってもいいものだ。どっかの鎧の声とかやってそう。

「き、キャシーさん?」
「まさか、君がアオイ・カズトくんだったなんてね。びっくりしたわ」

苦笑いしながら近づいてくる。
なんだろう。昼間に会った時とは雰囲気が違う。これは……そう。カズハとの組手前のような、そんな感覚だ。

「驚いたのはこっちですよ。知ってたんですか?」
「アオイ・カズトという人物と模擬戦を行うのは知っていました。けど、それが君だなんてね」
「あはは……すいません、名乗りもせず」
「ううん。私も聞かなかったんだし」

朗らかに話をしているが、その佇まいからは油断など一切感じられない。

「それじゃ、そろそろ始めましょうか」
「あ、ああ。そうですね……でも、本当にやるんですか?」
「ええ。大丈夫よ。時間はそんなにかからないらしいし」

それに、とキャシーはスタスタとカズトに背を向けて少し離れた場所に歩いていく。
その顔には、何かを割り切ったような、そんな表情が浮かんでいる。その姿があの人と、毎日のように組手をした、最愛の人と重なった。

「「手加減してあげるから」」

周囲の景色が、何もない無機質な白から、荒廃した摩天楼へと姿を変えた。

『それでは、始めてください』

耳にその声が聞こえたのと同時に、キャシーの姿が掻き消えた。まるでこの前襲撃してきた4位の先輩と同じ、いやそれ以上のスピードだ。全く見ることができない。

背後から殺気を感じ取り、素早くアクセルで距離を取った。しかし、そのアクセルなとまるで児戯だと言うかのように、キャシーの影が再びカズトの背後を取った。
格が違いすぎる。それを理解するのに時間はか
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