体育館裏のホーリー
体育祭の練習とディオドラ・アスタロト
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部屋の片隅に現れたのはあの時の優男だった。
「ごきげんよう、ディオドラ・アスタロトです。アーシアに会いに来ました」
部室のテーブルにはリアスとディオドラで対面していたが、アザゼルと俺は間に座っていた。他の者はリアスの後ろで待機していた。朱乃がディオドラにお茶を淹れて、リアスの傍らに待機。ライザーとは違い、用がある人物がアーシアだからだ。
そのアーシアはリアスの後ろで困惑した表情をしていたが、ヴァーリとシーグヴァイラとレイヴェルとイリナは俺らの後ろで待機していた。四人横に並んでいたので、狭くはないが余りディオドラに近付きたくないのかリアスの後ろへ行っていた。
「リアスさん。単刀直入に言いますが『僧侶』のトレードをお願いしたいのです」
『トレード』ね、確か『王』同士で駒となる眷属を交換出来るシステム。同じ駒ならトレード可能だと、アザゼルに聞いた事があるが『僧侶』って事はアーシア目当てか。
「僕が望むリアスさんの眷属は・・・・『僧侶』アーシア・アルジェント」
ディオドラも躊躇いなく言って、アーシアの方へ視線を向けていた。自分の下僕が載っているカタログのような物を出そうとしてきたが、リアスは間髪入れずに言った。
「そうだと思ったわ。けれど、ゴメンなさい。その下僕カタログを取り出して見たとしても、私はトレードする気はないわ。あなたの『僧侶』と釣り合わないのではなく、単純にアーシアを手放さなくないから。・・・・私の大事な眷属悪魔だもの」
「それは能力なのかな?それとも彼女自身が魅力だからなのかな?」
シーグヴァイラはディオドラを見ていたが、落ち着けという事で仙術を浴びせた。リアスは両方だと言ってから、朱乃は妹のように暮らしていると付け加えていた。まあ姫島家に住んでいるアーシアは、実の妹のように可愛がっている朱乃の気持ちも分からない訳ではない。それに求婚の意味を知っているのか?俺はアザゼルに念話混じりので会話をしていた。
『求婚した女性をトレードで手に入れるというのは、最低な事なのでは?』
『そうだな。それに一緒に生活をしている朱乃らの気持ちを無視しているようでは、このトレードは破棄だろうな。バラキエルから聞いたが、朱璃さんと朱乃は実の妹のように可愛がっていると聞いている』
『俺もそう聞いているぜ。にしてもよー、ディオドラの笑みがとても不気味なのは俺の気の所為か?』
「・・・・分かりました。今日はこれで帰ります。けれど、僕は諦めません」
俺らの念話が終わらせると同時に、立ち上がった奴は当惑しているアーシアの前に立つと跪き、手を取ろうとしていた。偽物の愛情を語っていたが、そう言えばヴァーリとアスモデウスからの情報だと、アイツの趣味は聖女やシスターを犯して自分の物にするとかだったか。
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