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東方大冒録
VS永遠亭その1。 〜突入〜
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こんな感じのやり取りが30分ほど続き、あげく酔いの回りすぎた小傘が暗基を脱がそうとしたため、らちが明かないと思った暗基は小傘を墓地にポイ捨てし、早々にぬえ達の部屋から立ち去った。ただ驚かしてやるだけのはずが、なぜ酔っ払いに脱がされる羽目になるのか、まだ未成年の暗基は全く理解できなかった。

「はぁ、酒は飲んでも呑まれるな、ってか。まったくもってその通りだよちくしょう……」

思わずため息が出てしまっていた。そして廊下を右に曲がろうとしたところで、

「おっと!?」
「うわっ!?」

誰かとぶつかりそうになった。相手が転びそうになったので暗基はとっさに相手の腕をつかんで転ばないように支えてやった。

「大丈夫か?」
「すまないな、ぶつかりそうになったうえ、支えてもらうことになるなんてな。ありがとう」
「いや、こっちこそ悪かった。俺も前をよく見てなか……って、慧音!?」

なんと、ぶつかりそうになったのは、霊夢たちが何とかしてくれた、上白沢慧音だった。

「ん? 私の名を知ってるということは、まさか君が、暗基優理亜の弟か?」
「あぁ。零だ」
「零か、いい名だな。実は私もさっき目覚めたばかりでな。どうなっているのか、なぜ今私が命蓮寺で目覚めたのか、そしてなぜ隣で妹紅が寝ていたのか、いまいちよくわかっていないんだ」
「あー、さっくりいうと、慧音は異変に巻き込まれちまってたんだよ。本物を封じ込めて、偽物だけの世界にしようとしてる、優理亜のな」
「っ!? そう、だったのか。すまなかったな」
「慧音が謝ることじゃないさ。悪いのは、おれの姉貴のほうなんだ。むしろおれが謝るべきなんだけど……」

と、廊下で軽く慧音と話をしていると、

ブオォッ!!!

「なんだ!?」
「くっ!」

突然慧音の後ろからフードをかぶった3人組が猛スピードで飛んで行った。

「侵入者かもしれないな。追いかけよう!! 慧音、行けるか?」
「もちろんだ! 行くぞ!!」

暗基と慧音は3人組の追跡を始めた。



























3人組は、すぐに命蓮寺の外に出て行ってしまった。

「くそっ!! 逃げられたか……!」
「はぁ、はぁ、飛んで逃げられたら、すぐに飛べないおれには少しきついよ……」

慧音も暗基も純粋に悔しそうにしているが、暗基はひとつ引っかかったことがあった。

「ん? 3人?」
「うん? 3人がどうかしたのか……?」

慧音は暗基に何か腑に落ちないことがあることを感じたので、何が腑に落ちないのか聞いてみる。すると暗基は、何かを察したのか、顔から血の気が引いた。
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