023話
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ない、それほどまでにARMが欲しいのか。そこまでディアナの欲は深いのか、何故其処まで全てを欲するのか解らない。だが今やるべきは
「此処を、守る事だっ!!幻想大剣・ 天魔失墜!!!」
二度目の発動、尋常ならざる敵を打ち倒していくがそれでも敵は止まらない。三度、四度、五度。それほどまでに宝具を連射した所で漸くチェスの姿は見えなくなっていた。周囲の地形は抉れ、草一本さも生えていない。
「ハァハァハァハァ………」
思わず膝を付く、疲労が一気に体を襲ってくる。視界がぐらつきぼやけて行く、多量の魔力を消費した事で身体に著しい負担がかかり一気に精神を食い破ってしまった。目を開けている事さえ困難になっていくジーク、なんとか塔に寄り掛かったその時、時が止まった。
―――世界の時が止まった、空が、大地が灰色に染まって動きを止めている。その世界の中ジークは普通に思考し行動が出来ていた、この異常な世界の中で。
「(何だ、何だこれはっ!!?何が………っ!!!!)」
―――その時ほど、彼は血の気が引いた事は無いだろう。目の前に突如として出現した女に恐怖を覚えた。何の前触れも無く一瞬のうちに現れたそれはただ不適に此方を見つめていた。妖艶な笑みを浮かべながら己の中の欲望を隠す事無く放出しているその女を。
「欲しい……お前が……欲しい………!!」
「(お前、お前は………)一体何なんだ!!?」
漸く言葉を出したとき、世界は元通りに動いていた。目を凝らし周囲を探すが人の気配も姿も無い。
「(さっきのは一体………な、だったん、だ………)」
その思考を最後に、ジークの意識は、途切れた。
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