暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
十八話 ー想うは貴方一人、ですよ。ー
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 優希が真澄達の下へと駆けつけたのと同時刻、デスガイドもまた彼女の任務を遂行していた。

「ふぅ、優希さん……間に合ったでしょうか」

 ため息とともに小首を傾げ主人の安否を心配している姿は非常に愛らしく、一目見て魅力される者はまずいないだろう。
 もしも、彼女の周りで多人数のデュエリストが地を這っていなければ……。

 デスガイドは表情を一転させ、倒れ伏すデュエリスト達を虫けらを見るかのように見下し、近くに倒れていた者の背中をローファーの踵で踏みつければ、うげ、と潰れたカエルのような呻き声を出す。

「いや〜、にしてもこんな雑魚ばっか、相手してもフラストレーションが溜まるばっかです。あー、面倒くさいで〜すね〜」

 鬱憤をぶつけるかのように踏みつける力を段々と強くしていけば、男の呻き声も次第に大きくなるのは、必然。そして、苦しみもがく姿を見て、デスガイドにサディスティックな笑みが浮かぶ。
 そして、ちょうど敗者をいたぶるのにも飽きてきた時、新手の団体がデスガイドの前へと現れ、それを視認すると愉しげな笑みを浮かべる。

「おっと、ようやく本命のご登場ですか」


 デスガイドの視線の先に居たのは、周りに転がるデュエリスト達と同じ制服の一団と、そのボス、赤馬 零児。
 彼女とそして周りの惨状を見た赤馬 零児は苦悶に顔を顰める。しかし、すぐに表情を引き締め、不敵な笑みを浮かべているデスガイドに対峙する。

「どうも、お初にお目にかかります、赤馬 零児さん。生憎ここは現在通行止めなので、他の道を探してくださいな?」
「おまえ、社長になんて口の利き方を!」

 恭しく一礼し、挨拶をするデスガイド。しかし、どう見ても挑発以外の何物でもないそれに、エリートを示す制服に身を包んだ男が激昂し、デスガイドへと掴みかかる。

「あっぶないですねー」

 だがしかし、デスガイドによって地へと伏せられてる。

「たっく、私に触れていいのは優希さんだけですよ。これだから、似非エリートは……」

 倒れ気絶した男に対し、ゴミを見るような視線を送ると、表情を一転させ、スマイルを浮かべる。その笑みに気圧されたデュエリスト達は一歩たじろぎ、額に冷や汗を浮かべる。そして、結果的に最前に出た零児は切れ長な瞳でデスガイドを捉えると冷静な声音で問う。

「君は、なぜ我々の行く手を阻む」
「それは、逆ですよ。あなた方が通行止めしてる道を通ろうとするのがいけないんです」

 屁理屈以外何物でもないが、彼女の周りに倒れている同士を見て、何も言うことはできない。この先にいる例の襲撃者と優希たちの下にたどり着くには、デスガイドの後ろへと続く一本道しかないのだ。
 そして、零児だけは「そうか」と納得をすると、次の質問を投げかける。


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