『深黒の片翼』
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「君の其の背に生えてる深黒の片翼は誰の為のもの?
何を犠牲にして君は其れを得たの?」
『此は生まれた時から在ったんだ。
犠牲になったのはきっと僕の大切な人達。』
「そっか、其れは哀しいね...」
『それが、全然平気なんだ。
僕は何も辛くないし哀しくもない。
何も感じないんだ。』
「そう、其れは...
一番哀しいかもしれないね」
『何が?』
「だって、何も感じないのは...すごく虚しいことだと思う。」
『そうなんだ...
僕は、此の深黒の片翼を剥ぎ取ってしまえば、カナシミを知ることが出来るのかな?』
「じゃあ僕が其の深黒の片翼を受け継ぐよ。」
『ありがとう。
此で僕は人間になれる。』
「楽しんで、悲しんで、いっぱい心で感じてね...」
『ありがとう。
じゃあ、さよなら。』
「さよなら...」
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