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M?R - メルヘヴン - 竜殺しの騎士
021話
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してるんだよジーク!!?」
「早く逃げないと危ないっす!!!」
「この程度、逃げる必要性もないのさ」

余裕しきっているジークに遂に氷の棘が到達した、ジークの体へと次々と突き刺さっていく氷の棘。だがその棘からは血は一切滴っていない、綺麗な氷のまま。それもその筈、棘はジークの肌に刺さる事無く止まっていたのだから。

「この程度か、なら雑魚だな」
「私は美しい、不細工なお前には理解出来ないようだから教えてやろう、周りをよく見てみな!」

周囲には変わらず棘があるだからどうしたと思ったが少し地面が揺れていることに気付く、そしてジークの未来寄りに近い直感が何かを告げたが遅かった。ジークの左右の地面が競り上がりまるでトラバサミのようにジークの身体へと食らいついたのだ。

「もう一度言ってやるよ、私は美しいんだよお!」

「ジークゥウ!!」

叫ぶギンタ、幾らジークでもあれのような攻撃ではただでは済まないと思ってしまった。アルヴィスも顔を顰めている辺りかなり強力な攻撃である事に変わりはない、メルの一行がジークを心配する中、ただ一人心配していない者がいた。

「大丈夫よ、あの程度じゃジーくんはやられない。ねえジーくん?」
―――流石はドロシー、俺の事をよく理解している」

競りあがった氷の壁の中から響く声、それは紛れもないジークのもの。亀裂が走っていく氷の中から顔を覗かせたジーク、その表情は余裕そのものだった。

「ジークゥ!無事だったんだな!」
「この程度で俺がやられる訳ないだろギンタ、かぁっ!!」

ジークの一喝、大声と共に放出された魔力は一瞬で自分を包み込んでいた氷を溶かし水へと変えてしまった。キラキラと滴る水の中から出たジークはバルムンクを引き抜いた。

「でたぁ!ジークさんの必殺剣、バルムンク!!」
「我が剣は貴様を許さん!覚悟するがいい!」
「私の氷とお前の剣、どっちが強いかねぇええ!!」

再びアイススパイクを放つラプンツェル。

「竜閃!」

迫り来る棘の山脈を迎え撃つは魔力で強化された斬撃の風。山脈すべてを両断しつつ前進するそれはラプンツェルの頬を切り裂き血を滴らせた。血は頬から地面に落ち塗装を施す、僅かに施された塗装を見たラプンツェルは激昂し新たなARMを発動した。

「本気で絶頂(イカ)せてもらうよぉお!ネイチャァARM、ヘアマスター!!」
「ほう、婆の不細工さが更に磨きが掛かったな」
「こんの不細工がぁああああ!!!!」

ARMによって増幅され大きく太く多くなった髪を操りジークへと向かわせるラプンツェル、ジークもバルムンクを握りしめ走りながら前進する。迫り来る髪を両断しようとするが髪は鉄のように硬質化しているのか剣を弾き返す、更に力と魔力を込めながら前進するジーク
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