遺跡出現までの10日間【3日目】 その6
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んお帰りなさい!」
宿に戻るとフッド君が声を掛けてきた。
「ただいま、ねえフッド君、ここらへんに女の子用の衣服が売ってある店ってどこにあるか知ってる?」
僕の質問にフッド君は驚いた表情をして後ずさる。
「え……まさかケントさんそんな趣味が……」
な、なんか誤解されてる気がする……。
「ち、ちがうよ! この子の服を買おうと思って……」
「!?」
僕の後ろにいて見えなかったパンダの耳の少女の肩を掴み自分の前に立たせる。
「奴隷を……買ったんですか……?」
「う、うん……つい成り行きで……」
フッド君が信じられないようなものを見るような目で僕を見てくる。
「どうしたのフッドー、早く洗濯物の取り込みてつだ―――――――」
アカリちゃんがジャストタイミングで現れる。
「あ、アカリちゃん、服っていっつもどこで買ってる?」
「ふぇえええ!? ふ、服!? 私が着ている物がそんなに欲しいんですか!?」
「い、いや……この子に買ってあげようと……」
「この子……?」
僕の答えにアカリちゃんが怪訝そうな表情をする。
「な、成り行きで奴隷を買っちゃってね……こんな服じゃあ可哀想だし服を買ってあげたいと思って……」
「あ、なるほど! そういうことでしたか! 服屋ならケントさんと初めて会った噴水広場に行けば見つかると思います! でかい看板が出ているのですぐわかりますよ!!」
何故か凄い早口でアカリちゃんは喋る。そして喋り終わったかと思うとすごいスピードで階段を上がって行ってしまった。
「ケ、ケントさんがロリコンにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
…………………何も聞こえない、聞こえてない。2階から何やら叫び声が聞こえた気がしたが聞かなかったことにした僕はフッド君にお礼を言ってセリムの宿を出る。
☆ ☆ ☆
「ここが……服屋か……」
アカリちゃんに言われた通り噴水広場に向かうと「HUKUYA」と書かれた大きな看板が目に入った。
「どうもー」
「……」
「グギョ」
パンダの耳を生やした女の子は多少距離をとってはいる感じがするが僕に着いてきてくれている。
「あっらぁ〜、いらっしゃ〜い」
「「「!?」」」
色んな衣服が並んだ店の奥から紫色のドレスを着た厚化粧をしている太ったおばさんエルフが出てきた。
「あの、この子の服が買いたいんですけど」
何となく関わりたくないと思った僕は簡潔に用件だけを言う。
「あら、あなた奴隷にうちの服を着せるの? 別に構わないけどうちの服は奴隷には少しお高いと思うのだけど……」
厚化粧をした太ったおばさんエルフが戸惑った表情で
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