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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第30話「復讐」
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失っている。
シャルルが急いでアイリスのもとへ行こうとするが、大鷲がそれを許さなかった。
長い尾を振り降ろし、シャルルの行く手を阻む。
「ちっ……邪魔をするなぁ!!!」
ファルシオンを構え、応戦する。
「アイさん……しっかり!!」
「ゲホッ………ゴホッ……ク、リス…君……」
深手を負ったアイリスの身体は、大鷲のたった一撃で見るも無残な状況に追い込まれていた。
腹部に大きな穴が開き、そこから止めどなく出血している。貫通はしていないものの、傷口から千切れた肉片や
骨の破片が見えた。
眼に見える範囲でもかなりの重傷だが、身体の中もひどい状況だった。
壁に叩き付けられた衝撃で、背骨、両肩の関節、左足の付け根と膝関節がひび割れ、砕けた。
この状態では、戦うどころか、立ち上がることも、"生存"も不可能だろう。
「ケホッ……クリス君……わ、たしは…いいから……シャルルさん、の……援護………」
「喋らないで!! 今応急処置を…」
大切な人を失ってしまうかもしれない。
最悪の事態が目の前で起こり、クリスの目から涙が溢れる。
砕けた骨は、今はどうしようも出来ない。せめて止血をしようと試みるが…
応急処置をしようとした手を、アイリスに握られた。その手は血塗れで、少し冷たかった。
小刻みに震え、力も全然籠っていなかった。
「クリス君………泣かないで……」
小さな、本当に小さな掠れた声で、涙を流すクリスの心配をするアイリス。
「(………アイさん………本当に……貴方って人は……)」
「クリス君………私が、死んじゃっても………悪魔を、恨んじゃ…ダメだよ……………」
そう言い終えると、アイリスは静かに目を閉じた。
「…………アイさん? ………嘘ですよね…?」
クリスの涙は止まった。
クリスの心に、悲しみとは違う感情が沸き上がった。
ガギンッ!!!
「(クソ、羽根が固すぎる! 刃が通らない!)」
一人で大鷲相手に奮闘するシャルル。
しかし、若干押され気味になっている。
攻撃だけでなく、防御にも優れた相手に、たった一人で戦っているのだから、苦戦を強いられるのは当然だ。
「(まずいな……このままでは……ッ!!)」
「グゲエェエアアァァアァ!!!!!!」
大鷲が翼を翻す。
羽根を飛ばしてはこなかったが、大鷲が起こした暴
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