第4話「きゅうじつ」
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因だろう。薬を打ってゾンビにはならなかったが、こうやって温度覚が失われた。
「触覚はそのままだが、温度覚はほぼ失われた。....まさか...。」
ナイフを取り出し、傷が残らない程度に切りつける。
「....少し予想と違ったが、概ね合ってたか...。」
本来なら、反射的に手を抑える程の痛みが走るはずなのに、紙で切った程度の痛みしかなかった。...いや、それでも十分痛いけど。
「皮膚感覚の内、温度覚はほぼ喪失。痛覚も半分くらい欠落してるな。」
...いつか日常生活で支障を来すな。これ。
「....ま、生きてるだけ儲け物か。」
死んだらゾンビ化なんだし、そうなってないだけマシだからな。
「....ちょっと色々試してみるか。」
デメリットがあるならメリットもあると思い、少し試してみる事にする。大抵のゾンビゲーってゾンビになった奴は身体のリミッターが外れてるし、俺も何かあるかもしれん。
「...結論、身体能力やスタミナが飛躍的に上昇...と。」
黙々と体を動かした結果、そんな感じだった。
「皮膚感覚の約半分を代償に身体能力向上か...。」
いいのか悪いのかよくわからん。
「...飯食って寝よう。」
考えるのが面倒になってきた。腹も減って来たし。せっかくだから備蓄倉庫の食料を使うか。
「....ぁ、寝てたのか。」
飯を食ったら眠くなったのでそのままぐっすり寝ていたようだ。
.....備蓄倉庫の肉、美味しかったです。
「...地味にここじゃあ、時間が分からないな。」
一応時計を持ってるから時間は分かるんだが。
「...午前8時...。普通に次の日になってたし。」
そろそろ行動を起こさないと...。
「この区画には人気が全くない。だから探すとすれば上の階だが...。」
朝食を準備しながら考える。
「普通逃げるとすれば上へ上へと行くからな...。」
一般的な人ならすぐさまゾンビの群れを突破しようとなんてしないだろう。ましてや、噛まれたらその時点でアウトなのだから。
「この学校には俺のようなサバイバルに長けている人物はいないから、大抵がパニックに陥ったはずだ。それで皆が皆、屋上の方へと逃げたとしたら...。」
....全滅は必須...か。
「屋上も普段は閉まってるからな...。学校がいつゾンビに襲撃されたかは知らないけど、園芸部あたりが屋上を開けっ放しにしてない限り、あそこで袋小路になるな。」
必死に逃げて屋上目前で噛まれて終了。...そうでなくても屋上は行き止まりだから助かろうにも助かれない
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