第4話「きゅうじつ」
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ら一帯を探し回っていないので、一先ずは水を探すことにする。
「...あったあった。」
隅の方にだが、普通に水道があった。
「そういえば、ここって避難区画だったな。」
さっきのマニュアルをさらっと確認した通りだと、ここはパンデミックが起きた時のための緊急避難区画になっていた。
「だからここまで設備が整っているのか。」
食料の備蓄はもちろん、水道や電気の設備、生活必需品などが揃っていた。
「水道は雨水などの貯水を浄水してて、電気は屋上のソーラーパネルか...。」
想定されていたとはいえ、設備が揃いすぎてる...。
「...っと、ナイフも洗っておかないとな。」
こっちは切れ味が落ちたら困るからな。後で研いでおくか。
「....よし、完了っと。」
刀とナイフを研ぎ終わり、砥石を洗っておく。
「....?何か違和感が...。」
さっきから水に触れた時に違和感が生じる。...一体なんだ?
「ま、いいや。...腹、減ったな。」
備蓄倉庫の食料も気になるが、せっかく水があるんだし、レーションでも食うか。
「水汲んで...と。」
テキパキと準備していく。しかし、準備を進めて行くうちに、さっきの違和感が膨れ上がってくる。
「(おかしい...。何かがおかしい...。)」
違和感が募っていく中、温めてた物をつい手の上に落としてしまう。
「熱っ....くない...?」
充分に温めていたので、熱いはずだ。なのに、熱くない。
「...いや、熱さを、感じてない...?」
...一気に血の気が引く。嫌な予感がした。
「....考えるのはよそう。まずは飯だ。」
作り終わった飯を食べる。嫌な予感よりも食欲の方が強かったな。
「...ごちそうさま。」
あっという間に食べ終わる。一体、どれだけ寝てたんだ?俺。めちゃくちゃ腹がすいてたぞ?
「....さて。」
一旦、落ち着いた所でさっきの嫌な予感を確かめるとするか。
「味覚はあったし、視覚・嗅覚・聴覚も問題ない。触覚も一応あるはずだが...。」
そう呟きながら、バッグからライターを取り出す。
「....俺の予想が正しければ...。」
火を点け、手をギリギリまで近づける。
「...やはり、か....。」
熱さが、ほとんど感じられなかった。刀とかを研いでる時の違和感は、水の冷たさが感じられなかったからなんだろう。...つまり、
「皮膚感覚の一部が欠落している....。」
原因は大体分かってる。先日噛まれた際に感染したウイルス(仮)が原
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