第4話「きゅうじつ」
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自殺...って所か。」
まぁ、一般人ならそうなってもおかしくはないか。...しかし、奴らは既に人を逸脱していたから何とかなったが、本物の死体を見るのは嫌だな...。
「体温と血が渇いている事から、もしかしたら俺が来たときには自殺していたのか...?」
いくら精神に限界が来ていたとはいえ、俺の後に来たのなら薬を打つ時とかに俺に気付くはずだからな。
「....まったく...。」
こんな事になってしまったのなら、自殺したくなるのは分かる。...だけど、先生である貴方がそうなってしまってはダメだろう。
「....うん?」
ふと、傍にあった机に、気になる冊子があった。
「...“職員用緊急避難マニュアル”...?」
“校外秘”や“禁転載”と書かれており、いかにも怪しい冊子だった。しかも校長及びその代理の指示がないと開封禁止なのも怪しい。
「“感染対策は初期の封じ込めが重要であるが、それに失敗し、感染が爆発的に増加した、いわゆるパンデミック状態が引き起こされた場合―――”」
2ページ目に書かれている事を読み進めて行くと同時に、段々と背筋が冷えてくるような感覚になる。...なんだよ、これ。
「“―――対応できる資源、人員ともに限定―――”」
俺たち生徒には一切知らされていなかった情報。
「“―――厳密な選別と隔離を基本方針とすること。”」
それは、まるでこの出来事が想定されているようだった。
「“あなたの双肩には、数万から数百万の人命がかかっている。”...だって..!?」
非常事態用のマニュアルである事から、教頭先生もこの事態になるまで中身を見ていなかったのだろう。
「この事を知ってしまって、罪悪感に押しつぶされたってか...?」
俺たちに知らされていなかった事や、この出来事を想定されていた事に対する怒りはある。だけど、自殺した教頭先生を見ると、その怒りよりも、先生に対する情けなさの方が大きかった。
「....意気地なし。」
だから、俺はついそう呟いた。
「....よし、マガジンはこれでオッケーっと。」
あの後、とりあえず空になったマガジンに予備の弾薬を詰め込んでおいた。
「軽く点検もしておくか。」
と言う訳で銃を少し分解して点検する。
「...よし、大丈夫だな。」
どこにも不具合はないのでこれからも使えるだろう。
「刀は大丈夫か?」
模造刀だから、切れ味に関しては特に気にしてないが、血で折れやすくなったりしないかが心配だ。一応、ナイフのための砥石はあるが。
「...水、あるかな?」
まだここ
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